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BLOG - フイナム編集部

クラシック回帰のなかで異彩を放つロエベ。

ファッションウィークはいよいよ終盤。編集部の村松がお届けするレポートも残り2日です。

 

この日のショーで明らかに異彩を放っていたのが〈ロエベ(LOEWE)〉でした。

舞台は前回と同じ、フランス共和国親衛隊のアリーナです。会場の入り口には招待された俳優やアイドルを一目見ようと多くの若者たちが詰めかけて、すごいことに。こういった光景は他のビックメゾンの会場でも見られますが、〈ロエベ〉は特にひとの数が多かったように思います。

会場に入ると、ステンドグラスを思わせる大きなモニターに動画のコラージュ作品が映し出されていました。これは今回〈ロエベ〉が服づくりでもタッグを組んだアメリカ人画家、リチャード・ホーキンスのアートワークで、ブランドのアンバサダーなどをモデルに制作されています。

コレクションの方はというと、〈ロエベ〉を手掛けるジョナサン・アンダーソンとホーキンスの話のなかで挙がったブルジョワジーやストレイキッズ、ビジネスマンなど、さまざまな人物像を表現。

ボウタイ付きのレザーコート、ソックスが一体になったスニーカー、腹巻きのようなフーディ、片側からベルトが飛びしたパンツ…。それらにホーキンスの作品を全面にあしらったパンツやワンピースなどが加わります。このワンピースは編み上げるのになんと1,500時間掛かったとか…。

ファンタジーとリアリティが交差するアイテムたちは、ひとつのスタイルにまとまると情報量が多くて、目で追うのがやっと。ブランドの勢いそのままに、次々と登場する自由なデザインに驚かされました。

クラシックへの回帰が目立つ今回のファッションウィークのなかでも、〈ロエベ〉のクリエーションは明らかに異質だったと思います。

 

続いて、紹介する〈キコ コスタディノフ(Kiko Kostadhinov)〉は、このブランドならではの民族衣装を思わせるデザインをベースに、ワークやミリタリー、トラッドといった要素を織り交ぜながら展開。

ジャケットやパンツにあしらわれた体のラインを描いたような曲線が効いていて、どこかスポーティな雰囲気もありました。

 

 

〈カラー(kolor)〉の舞台は前シーズンと同じパリ左岸にある「ソルボンヌ大学」です。鮮やかな色が際立つ、校舎のエントランスに客席を設けて行われました。

新作はワークやトラッドなどを巧みにアレンジした、〈カラー〉ならではのギミックの効いた品々が目白押し。短丈のジャケットに通常の丈のキルティングライナーを合わせたり、ワンピースにデニムジャケットの後ろ身頃をくっ付けたり、ステンカラーコートとトレンチコートを重ねてみたり、こういったデザインはもちろん、素材やシルエットでも随所に遊びを効かせていました。

見ていて楽しいコレクションの裏には、手の込んだ緻密なデザイン設計があるように感じます。

 

この日は「コム デ ギャルソン」のオフィスで行われていた展示会にも足を運びました。その場所は名だたるブランドが軒を連ねるヴァンドーム広場の一角で、向かいにはココ・シャネルが住んでいたホテル「リッツ・パリ」があります。

〈ジュンヤ ワタナベ マン〉の新作サンプルが並ぶ部屋には、「古着サミット」でもお馴染みの藤原裕さん手掛ける〈ニューマニュアル(New Manual)〉とタッグと組んだデニムもありましたよ。「ベルベルジン」に続く、このコラボは注目を集めそうです。

 

そして、この日の最後は〈ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)〉のショーのバックステージ取材へ。その模様は近日、特集ページにアップするので乞うご期待。

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