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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

パンツの色

 1966年の今日、ビートルズが初来日した。55年も前の話である。飛行機からハッピを着て降りてくるシーンは若い人たちも見たことがあるかもしれない。

 そして翌日から3日間、東京武道館で計5回のライブを行った。タイムマシンがあれば観に行きたい。

 66年というとぼくは幼稚園児。その頃の写真を見ると生まれた地方都市の道路はまだ未舗装だし、三輪自動車が走っている。父のバイク姿はもちろんノーヘル。そんな時代だ。

 彼らの公演を準備していたキョードー東京の人の回顧録に会場を武道館で行うことへの反発というか妨害がすごかったというくだりがあった。柔剣道の聖地で軽薄な音楽興行を行うなど言語道断だと。しかし関係者の尽力があり、この困難な事業をやりとげられた結果、今日ライブはスタジアムなどで行われるようになった。この武道館の公演が音楽目的以外での会場でライブが行われる嚆矢だという。

 一体どれくらいの反対というか、重圧がかけられたのか想像するしかないが、保守的な人たちはいつの時代もいる。

 数日前の最高裁での夫婦別姓についての判決などもそうだ。頑強な保守派の反対に裁判所が負けたと個人的に思っている。誰もが指摘しているが、別姓にしなくてはならないのではなく、選択できる権利を与えるということにどうしてそこまで強固に反対するのか合理的な理由がわからない。アメリカなどはいついかなる時、いかなる理由においても姓名を自由に変えることができる。戸籍制度のない国だからできる荒技なのかもしれないが、そこまでラジカルでなくても少しは歩み寄ってほしいと思ったできごとであった。

 そしてもうひとつヘンな話が、都内の中学生の下着の色を学校が規定しているとかとい校則。色は白かベージュじゃないとダメらしく、教師がそれをチェックするというからこれはもう「ハレンチ学園」の世界である(例えが古くてすみません)。

 時代錯誤も甚だしい。ディバーシティとかジェンダーフリーとかの世の中で、女子生徒のパンツを男性教師がチェックするって、そんな羨ましい仕事あるんならおれだってやりたいわ。

 オリンピックを開催する「お・も・て・な・しの国」の中学校でそんなことが行われているということを世界中に発信したい。というか誰かこの記事、翻訳してSNSかなんかで世界にシェアしてほしいわ。

 なんせ、外圧がないと変わらないのがこの国だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

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