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BLOG - テガキ($HOW5 (#テガキ))

※連載 2回目<女の子>:スポーツシューズのデザインをするまでの道のり・・・

 

前回からの続きです。

※連載 1回目<真っ暗>:スポーツシューズのデザインをするまでの道のり・・・

 

電話をしている相手も、さぞ怖かっただろう。

話の相手が突然殴られて音信不通になるのだから。

こんな事になってしまって 何を話そうとしていたのか全く覚えていない。

電話の相手は当時の自分の話を何でも聞いてくれた、女の子だった。

 

お互いに実家から遠い神戸の大学に通う。

大阪方面に帰る電車が同じで、

片道約2時間もあった。そのときに話を聞いてくれて、

僕のDJの活動も面白がってよく遊びに来てくれた。

就職活動も応援してくれた。

 

とにかく

当時の自分が なんでも話せる 心をひらいた

唯一の 女の子だった。

幸いにも 検査に大きな異常はなく、数日で退院できた。

その後、真っ先に この子に事情を説明した。

すぐにお見舞いにきてくれた。

顔が半分腫れ上がって変化していたけれど

会いたかった。とにかく来てくれて嬉しかった。

その後も 毎週のように来てくれた。

 

僕はこの頃、恋愛に極度に臆病だった。

高校入学して初めて 同じクラスで そういう関係になった人と別れた後に

本当は とにかく胸が大きい子が好き というのがバレて 気まずくなって、

クラスの皆から 悪者みたいな目で見られ・・・。

かなり嫌な思いをしたし、させた。

あんなに楽しかったのに、あれは何だったんだろう。

田舎の高校なんてそんな下らないもので、それがトラウマだった。

 

その後 全く、誰とも関係を持たずに 童貞のように

とにかく女の子と2人で 話すというだけで辛かった。

そんな中

大学入学した時から数少ない”友達”だったから

そのままの感情でいたかったけれど

弱っているときには気持ちが動いてしまう。

だいぶ完治してきたときに、

二人で花火大会に一緒に行ってくれたとき、

もう気持ちは止めれなかった。。。

どう思っているんだろう⇄いやいや、そんな気持ちはないだろう・・

頭の中でずっと何度も繰り返した。

そういや2人でなぜか 学校サボって 宝塚ファミリーランドという

遊園地に行った事もあった・・・僕が鈍感なのか

いやいや、完全 友達感覚だったし 男女の友情もありうる・・・

そんな堂々巡り・・・。卒業まで何も言えず。

”友達”ですらなくなる恐怖の方が大きかった。

周りから見たら”あすなろ白書”のようで良いなと

言われたけど、当の本人はイッパイイッパイ。

青春ってそういうものかもしれない。

 

とにかく、

まず自分自身を こんなドン底から這い上がってやる。

絶対に大阪で一番大きなクラブの メインの時間でDJをやってやる。

それまでは、DJも絶対にやめない。

そういう想いがフツフツと湧いてきた。

 

就職活動の方は

身体が治っても 片目の眼球が ずっと赤いままだったため、

メイン所は殆ど逃してしまった。

DJイベントの帰りに起きた事件という所も

学内就職センター、当時の国内の会社の

人事サイドから見ても問題だった。

(まだDJなどの文化への偏見も大きかった)

自分の精神的状態も持ち直せずに、

その後 受けた面接は散々だった。

面接で、あの事件について聞かれるのではないか

というトラウマもあった。

 

そこから、

DJと卒業研究に没頭していく。

上っ面の面接よりも、ホンモノの作品と

DJカルチャーを本気で吸収しなければ

全てが薄っぺらい。

ホンモノの作品があれば、絶対にいつか

大きな会社でも採用するハズだ。

なぜか、開き直って そういう思考になっていく。

(ホンモノとは何なのかもわかっていないのに・・・)

面接での 胡散臭い質疑応答も頑張っていたけど・・・

急にバカらしく思えてきた。

 

そんな中

神戸長田区のケミカルシューズ、

婦人靴工場から求人があるが見学だけでも

行ってみればという話をもらう。

 

JR新長田駅を降りて、工場に向かって歩くともう明らかに臭いが違う。

シンナーやレザー、接着剤の匂い。鶴橋のような焼肉屋さん

そばめし屋さん。パチンコで負けて呆然としてるオッさん。。。

すぐに意味がわかった。見ず知らずのオッさんが

電車賃を貸してくれと話しかけてくる尼崎と同じ感覚の日本のゲットーだ。

 

そこで初めて、シューズが 0から作られていく工事のレーンを見せてもらう。

国内のシューズ工場は 東京の浅草か 神戸の長田くらいにしかもう無かった。

あとは中国に行かなければ見れない光景。

少し治安が悪いような場所に行かなければ見れない

そこには ホンモノの生々しい現場があった。

全てが新鮮に見えてしまった。。。

 

それまでの自分の疑問。

シューズの作り方や構造を知らない人、

作ったことがない人がどうやって

新しいモノを作る=デザインするのだろう?

あぶない興味がドンドン湧いてきてしまった。

 

まわりには当然、大反対されたけれど、

零細企業なので大卒が来るだけで

ラッキーというようなノリで

あっさり内定が出る。

結局ここに内定をひとまず決めて

DJと卒業製作に打ち込む事になる。

 

 

それが卒業後に トンデモナイことになるのだが・・・

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