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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

嘆き

 寒さを忘れていた。そうだよね、もはや晩秋だもんね。

 暖房入れて、ジャケットを着る。季節の移ろいというより時間の過ぎる速さを恨めしく思う。こないだ年が明けたばっかりなのに。

 先週末、家族が集まり恒例の秋の法事を行った。一年ぶり、いろいろニュースがある。主に誰々が亡くなったとかそういうの。最近の流行りかそれとも疎遠か、お葬式などを簡素化し親戚にも連絡しないというケースが増えているようだ。

 小さい頃から世話になった親戚の兄ちゃんたちの顔を思い出す。

 ぼくは末っ子で一番上とは16歳離れているから、従兄弟の兄ちゃんたちも相応の年だ。お迎えがきてもおかしくはない。

 その昔、若気のいたりでやらかした兄さんは、指が一本ない。しかしものすごく優しい人で足を洗ってからは、それはもういい人でみんなから好かれた。

 ただ一度、あることで身近な人にすごく差別的な発言をした。それを聞いて悲しくなった。兄さんが悪いのではない。世の中を呪った。いわば逆差別なのだが、思い出すたび切ない哀しい気持ちになる。

 小説など書く気も力もないのだが、もしそうなるならこのエピソードは挿入せざるを得ない。それくらい腹に響いた。

 LGBTQとか多様性とか。流行りもいいけど、本物の嘆きとは話にならない。

 中東で起こっているようなことが、東アジアの歴史にもあるのだ。

 

 

 

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