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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

仕事をしてくれるアイドル

 二丁目の橋本環奈といえばシェフの鳥羽さんだが、うちには南沙織がいる。

 誰? となるかもだが、ある年齢以上のおっさんたちには特別な響きがある。70年代を席巻した元歌手でアイドルだ。いまの橋本環奈と土屋太鳳を足して割っても当時の人気には達しはしない。

 同姓同名の編集スタッフである。ご両親が狙ったかどうかはわからない。仲良し連中から「おまえのところに南沙織がいるんだって? 会ってみたい」なんて声もそこそこかけられた。匹敵するのはアグネス・ラムあたりだろう。

 なんとか48みたいなのが「会いに行けるアイドル」なんて売り出ししていた入社当時、「会いに来てくれて、なんなら仕事してくれるアイドル」で売り出したが、仲間内でしかウケなかった。

 閑話休題。

 さて、本日当社が企てる新たなプロジェクトが発表された。フイナムでも記事になっているからなんなんだ? と反応された方もいるかもしれない。

 日本橋・浜町にフイナムランニングクラブ♡が主宰するランニングステーション(以下、ランステ)にサウナ(水風呂)と立ち飲みビール屋が合体した施設「ととけん」を9月末ごろにオープンすることになった。

 https://totoken.jp

 ファッション系のウェブ媒体やアパレル事業をやりながら今度はサウナか節操ねえな、と思われた方々に、どうしてこの施設をやることになったか経緯を説明したい。

 話はかなり遡るが、うちの営業Mくんが存命していた頃、新事業を起こしてさらに会社を発展させ、スタッフがわしわし給料を稼ぎいっぱい休んでハッピーになろうということから「しあわせ会議」なるものが開かれた。亡くなった人を悪く言いたくないが、あまり良い名ではないね。

 ともかくそこではいろんなアイデアが話合われた模様。なぜ推測的な書き方をするかというとこの会議にはぼくは一切タッチしてないからだ。話し合われて擦り合わされ、勝ち抜いて準決勝に上がってきたくらいのアイデアが、はじめたぼくに開陳されるというそんな企画会議であった。

 いろんなアイデアがあったが、その時にフイナムランニングクラブ♡の副部長でフイナム副編集長の山本が「なんか店やりたいっす」みたいなことを言っていた。クラブ員が集まれるサロン的な空間で、飲み物やら物販やらをやるようなそんなイメージだったのだろう。実現性からすると優先度はずいぶん低かったのであるが、なんとなくぼくの海馬に些細な傷を残した。これが10年くらい前のこと。

 フイナムもメディアとしてそれなりの認知を得て、なんとか業界内では一目置かれる存在になりはじめた数年前、前編集長小牟田が、フイナムで村みたいなものをやりたいっすねと言ってきた。村ってやれるもんなの、という疑問はあったが、宿やレストラン、人々の集る公民館的なスペースを運営し、コミュニティスペースを作りたい、のようなことだった。ずいぶん壮大なスケールである。たぶんどこかのヤツのメンターがやっている施設を見て思いついたのかもしれない。

 しかしさすがに村をやるって難しいと悟ったのか、今度はキャンプ場でいいやとダウングレードしてきた。

 いいや、といわれてもキャンプ場もなかなかのものである。

 ちょうど2年前の夏、そんなキャンプ場ができそうな土地を見つけることができた。しかしキャンプ場ってどうやって作るの?ということで建築事務所をやってる友人に電話した。建物は何が必要で、その費用やらなんやら。

 するとこの友人が富士山の麓に何万坪の土地を遊ばせてる知人がいて、格安で使用できるかもというのである。早速、クルマ飛ばして富士へゴー。ゴルフもやったけどね。

 確かに土地は広いのだが、景観があまり良くなかった。妄想では富士山が目の前にドーン、であったのにどこにも見えない。人生訓ではないが、近すぎると大切なものは見えなくなるのである。

 しょぼんとした帰り道、この友人が「蔡ちゃん。そういえばさ、日本橋にビルがあってさ、そこでスタジオかなんかやってくんない」とチャラく提案してきた。自社管理の撮影スタジオはいつでも欲しいと思っていたから、後日、物件を見に行った。

 同行は、うちの平野と柴山(違ってたらすまん)。

 物件は5階建てのおんぼろビル。鉄筋でスケルトンにすればそれなりの見栄えかもだが、スタジオで使用するに天井高が低すぎる。ということで何か別にやれること考えますよと友人と別れた。

 帰りの電車の中、柴山が突然「サウナどうすか?」と言ってきた。

 サウナ? そんなタピオカドリンクじゃないんだから、ブームなんてすぐ終わるよと嗜めたものの、副編山本の店やりたいっすと、元編集長の村話を思い出し、要するにコミュニティスペースになる施設を求めてるんなら、やれるかもとプロジェクトが始まった次第。

 それから2年。先週と今週頭にLINE WORKS上で怒りを爆発させながらも今日のティザーに行き着いた。

 いまも現場は絶賛工事中だが、来月の終わりか9月の頭くらいに引き渡しで9末あたりのオープンになりそうだ。やることはまだ山のようにある。

 この施設は、走って、ひとっ風呂浴びて、ビールでととのうのが基本コースであるが、もちろんサウナだけ、ビールだけの人も歓迎だ。なんせ、コミュニティスペースがこの施設の裏テーマ。

 小牟田のWEB媒体だから読者とのリアルなやりとりがないから、直接触れ合える場所が欲しいという村構想(のちのキャンプ場)という理由からのコミュニティスペースだ。いや紙媒体でも読者と直接触れ合える場所はあまりないんじゃないかというツッコミはこの際引っ込めてください。

 まあそんなわけでこの施設に来れば、うちの誰か編集スタッフがほぼいます。なんなら一緒に走ってくれたり、一緒に汗を流したり、一緒にビールを飲んでくれるかもしれない。もちろんぼくもしょっちゅういます。キロ6分ペースで走る人はぼくのラングループに入ってください。

 橋本環奈や土屋太鳳はいないけど、編集スタッフに会いにこれます。クリエーションを生業にしている人は、ポートフォリオやブック、作品を持って会いにきてください。

 打ち合わせをしてくれるアイドル、南もたまにいる予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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