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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

モテる職業

 小学生が憧れる職業って、純粋に自分が興味あることに紐づいている。たとえば野球選手やケーキ屋さん。近年ではYouTuberというのもそうだ。それが年齢を重ねるごとにいろんなことの影響を受けて、変わってくる。思春期男子のトップクラスの関心事は、異性にモテること。逆もしかりか。しかし傾向は男子の方が強い気がする。

 異性の目は、髪型やファッション、肌荒れなどに気を使う動機になる。

 大学生にもなるとそろそろ就職や職業のことが気になり始め、あるものは安定と高給を目指して大会社に就職し、夢破れたものも逆転を狙ってユニークな職業を目指したりする。すべてが異性の目、というのは乱暴かもしれないが、モテる職業も候補になる。

 スポーツ選手、モデルや俳優になれない人は、オルタナティブを探すしかない。笑いの才があれば、お笑いタレントや芸人、ファッションセンスある人はデザイナーとかなんとか。

 思い返せば、90年代はスタイリストの時代だったな、というのがこの話の主題。当時この職業は、ある意味花形職業であった。有名人と付き合ったり、雑誌に登場したり。ファッション専門学校に通うスタイリスト予備軍は、無給で有名スタイリストに師事したもんだ。それくらいみんなが憧れた。

 しかし時代が降るにつれ、その人気もあやしくなってきた。以前この欄でも書いたが、スタイリストにアシスタント応募がなかなかないというのである。もちろん給料支給してもだ。

 スタイリストがモテ職業じゃなくなったのかもしれない。ファッションが好きで純粋にこの道に進みたい人は、90年代もいまも同数いると思うが、その絶対数が少ないのだろう。

 代わりにいま最もモテ職業は、シェフなんだろう。予約の取れないレストランの席を持っているというだけで、モテる時代。むしろそれを提供する側がもてはやされないことはない。

 当フイナムでもお世話になっているシェフと女優さんについてのこの度の騒動について、思いをめぐらせたのはこんなことでした。

 

 

 

 

 

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