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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

望郷太郎

 例年お正月は都内に住む親族が下高井戸の姉の家に集まり、用意された盛大なごちそうをいただくというのが、慣わしだ。これまではこの催し、元日に行うことが多かったのだが、昨年は諸事情で中止、そして今年は2日の開催となった。

 姉は料理がとてもうまい。お店でもやったらどうかというレベルだ。だからこの会はいつも楽しみなのである。そしてもうひとつ楽しみがある。姉の娘、ぼくからみると姪にあたるが、彼女がとてもつもないマンガ好きで知識も蔵書も広く深く、なんでも知っている。

 彼女に勧められる作品はどれも面白い。「進撃の巨人」も「ゴールデンカムイ」も教えてくれたのは彼女である。ぼくは普段あまりマンガを読まないのであるが、勧められたものは読む。

 今年は「九条の大罪」、「ダーウィン事変」などを勧められたが、最後に思い出したかのように出た「望郷太郎」が面白い。作者は「へうげもの」の山田芳裕氏で、この作者のキャラクターの描き方が個性的でマンガ的なのがとてもよろしい。さらにこの次どうなるの? というミステリー的なストーリー展開にも引き込まれっぱなしで、スキがあれば読んでいた。

 しかし、この作品まだ連載中なのだ。

 最近の傾向というか問題点は、一気に最新刊まで追いつくのだが、その先のゆったりとした刊行ペースにイライラし、新刊読んでもそれまで読んでたストーリーやキャラクターを忘れてしまって、また読み返すを繰り返していくうちに、興味を失してしまうということ。

 動画配信のドラマもこのパターンが多い。

 完結した話を一気読み、一気観した後のカタルシスを味わいたいといつも思う。

 そういう意味では映画や小説の方が自分には合っているのかもしれない。

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