ぼんやり考え事をする時間が減った。以前は通勤途中にクルマを運転しながら、あれこれ思考し頭の中を整理していたけど、このところは信号待ちになるとついスマホに手が伸びる。それで思考が分断され、考えていたことをすっぱり忘れてしまう。このスマホに手を伸ばすのがどうもクセになっているようで、電車に乗ってもポケットを探る。
5分、10分スマホから離れていても問題になることはないのだが、習慣というのは恐ろしい。
読み物をしている時にはスマホから離れていられるのだけど、それだと紙面に夢中になり思索はできない。やはりぼうっとしている時間が必要だ。
先日、釣りはしますか、とある人物から聞かれた。現在形で聞かれたということは、そういう習慣としての趣味はあるかということだ。したことはあるけどいまはしていないので、いいえと答えた。小さいころ夢中になっていたとしても、いまやっていないのだからそう答えるしかない。
するとつまらなさそうに話題の方向を変えた。
数年前、佐世保出身のカメラマンに呼ばれて彼のホームタウンへ行ったことがある。確か3泊くらいしたのであるが、主なエンターテインメントは夜なので昼間はヒマだ。そこで釣りでもしないかと小鯛を釣りに出かけた。面白いように釣れるので、2日連続で楽しんだ。といっても2本あるしかけの片方だけ。最初渡されたしかけではまったく釣れず、やつが釣る姿をただ横目で見ながら腕が悪いんだろうなとひとりごちていた。しかし竿を交換するとこれが面白いように釣れる。なにが違うのか素人にはまったく想像もできないが、なにかが違ったのだろう。
そんなことをあれこれ考えていると、関連しなさそうで関連していることが頭に浮かんではなんとなく長考に入る。いろんなことが整理され、頭がクリアになったような気もした。以来ずっと釣りはいいなと思っていた。
ここへきてまた釣りが若い人たちに人気が出てきたというニュースを聞いた。どうやらシーバスやらのスポーツフィッシングということなんだろうけど、若者の◯◯離れ、というワードしか聞いてなかった最近ちょっとたまげたニュースだった。バス釣りはどうか知らんが、釣りはスマホからすこし離れて、頭の中を整理するには本当にいい遊びだと思う。どんどん広まればいいと思う。
さらにはゴルフ場に若者が戻ってきはじめているらしい。
若者は絶滅が危惧されるメダカやスズメみたいな扱いになっているな。