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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

シカクいアタマをマルクする

先週末は友人らとごはん。そこでレアなワインのご相伴にあずかった。後輩がずっと倉庫に保管してあった1989年のスーパートスカンと同じ年のバローロ。さすがの味音痴の自分でもいいなと思った。

ワインは好きでよく飲んでいる。食中酒としてほぼどんな料理にもマッチするから。

高ければいいってもんではないが、やはり安いものはそれなり。バリエーションが多すぎるから選ぶのを迷う。レストランなどでは、給仕の人やあるいはソムリエに聞けばお勧めを教えてくれるが、自分で選ぶとなるとそれなりのワイン教養が必要だ。

家でも飲む。バキュバンのような開封後も風味を損なわない栓があるし、飲みきらなくてもいいから気軽に一杯、二杯と飲める。気がつくとひとりで一本空けてることもあるが。あまりお勧めしないです。

それにしてもいろんな国でワインは作られる。国の中にもリージョンがいっぱいあり、生産者、そして葡萄品種も様々だ。さらにつくり方も、畑の管理もいろいろある。ビオディナミとかね。

これにさらに製造年が加わる。同じ銘柄、畑、生産者であっても年によっては香り味わいが違ってくる。

それらを掛け合わせるとこの地球上にワインは何種類になるのだろう。果てしない数量だ。一生にこれらをすべて飲むなんてことは不可能。だからワインは面白いんだと思う。

先日、ニュースで日本のスタートアップがパリで日本酒を製造したというニュースを読んだ。山形県鶴岡市のWAKAZAという会社だ。

南フランス・カマルグ地方のジャポニカ米を使用し、地元の硬水、ワイン用酵母で醸造した。これがむこうで評判だという。

なぜ、フランスか?

もちろん海外に日本酒の魅力を知ってもらいたいという崇高な理念もあるだろうが、察するに日本の酒税法が障害になっているということだ。いまの法律では、清酒の製造に関して新規参入は事実上不可能なのである。

規制を緩和しようという動きもあったそうだが、権利関係者などによってつぶされたという。

さて、これワインと比べるとどうでしょうか?

日本という小さいマーケットでパイの取り合いをして、自分らの首を絞めていくより、世界という大きなマーケットに向けて新規参入者のユニークで個性的な日本酒のバリエーションを増やして全体のパイを大きくしていったほうがいいのではないか。

この話は、先にアカデミーで作品賞、監督賞など4部門取った映画「パラサイト」にも通じる。韓国は自国民が多くないので、以前からエンタメ系に関しては世界を見据えて売り込んできた。「パラサイト」は韓国内向けに作られた作品というが、そういう土壌で作られる、あるいは競争があるからこその快挙だったといえなくないか。

ぼくは食中酒としての日本酒も好きだ。権利関係者はすこし硬い頭を柔らかくしてほしいね。日能研ではないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

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