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BLOG - 道田有妃(マーチングバンド隊長)

第二会田ビル episode00. ことのはじまり

東京は神田。西が主流のファッション業界においては「ああ、最近は東の方が楽しい、って聞くよね」と言われがちだけれども、実は神田は東ではなくて”中央”なんです。

会社を設立しておよそ4年は、渋谷区で小さな事務所スペースを構えていたけれどひょんなことから神田のビルがあるんだけども、そこ、なんか面白いことやってくれへんか。というお声がけをいただきました。

神田かー。神田ねえ。 うーん。 カンダ。

まあとりあえずはみにきてよ、ということで向かった現場は慎ましやかでノスタルジックな雑居ビル。もともとテナントとして入っていた薬品会社の名残がそのままに、1Fは天井の高い倉庫、奥が螺旋階段で二階に繋がっていて、なんともなんとも。
けれどもあまりに突然のオファーに、その場でアイディアが湧き出てくるはずもなくその日以降の宿題となりました。
だかしかし、なんだカンダ。幼い頃からの習い事、学習塾、そして父の職場。
御茶ノ水や神保町などもともと千代田区には漠然とした親近感があり、慣れ親しんだ西から離れるのなら千代田区(か、文京区)がいいなあなんて思っていたりもしていたのです。

なんだろねえ、何が面白いだろねえ、なんて毎日頭の片隅でカンダについて考えていたその頃、私が世界一尊敬しているなっちゃんがご飯に誘ってくれました。わたしとお付き合いくださっているみなさまはご存知の通り、今はいくらかマシにはなったけれど、とにかくスケジューリングがルーズでルーズで。easy smithくらいルーズだったので、その日も仕事が片付かず、土壇場でキャンセルをしてしまおうっかなー、と薄々考えていたんです。
でもなっちゃんが、「絶対にくるべき。面白いことになるから」と。

で、もうお店も終わりかけているにも関わらず命からがら駆けつけました。いまは無き目黒のBEARDに。

あまりにひどい様相だったのでしょう。着くなりムッシュージェロームが「とにかく何か食べなさい」と、ささっと即席プレートを出してくれて、そのときにいただいたポークソテーのコクと旨味とビタミンBがああ、忘れられない。

で、シンさんさんたちの新しい試みのお話をうかがったり、へえ、なんて話したり。で、今度はどこらへんでやるんですか?

「いやあ、最近あっちが面白いなあと思っていて、色々探しているんだけどなかなかご縁に繋がらず」

「え、あっち側ですか!? 実はね、わたしいまあっち側の、ビル、面白いことにしたくて。本当にご興味あればオーナーさん繋ぎますね」

「ありがと、検討してみるねー」

翌日その時ご飯をご一緒していた建築家の工藤桃子さんから電話が

「シンさんが現場みたいって。なるべく早く、いつがいい」

「え、じゃあもうすぐにでも」

こうしてBEARD訪問から数日後には神田に集合。物件をみて、鬼金棒にてカラシビラーメンを食べながら意見交換。現地解散と相成りました。

それからもう、話はあれよあれよと進んで行って、無事に1Fでシンさんとジェロームさんが新たな挑戦をすることになりました。
これがあの、自然を敬愛し、持続可能な仕事を目指す生産者の方々に出会う旅を続けるジェローム・ワーグ氏と原川慎一郎氏のコラボレーションライフワーク” the Blind Donkey“です。

ここまでの流れ、インタビューで触れられていました。参考までに。
https://ensemble-magazine.com/2017/10/03/journal20171003/
<抜粋>
“へとへとになって”いたのがわたしですね。あと、正しくは”閉店後”でした、遅刻してすみませんでした。

さて、話はこれでは終わりません。
シンさんたちが決意を固めたその頃、前出の建築家・工藤桃子 さんがいつの間にか決意を固めていました。

「じゃあ、わたし5階にするわ」

episode 01. 「それじゃあわたしは」につづく

 

 

 

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