イネスたちが来日していた昨年の4月頃…というか、メジャー・デビュー前からとにかく大好きだったのが、いまや押しも押されぬ人気のビリー・アイリッシュ。
初めて聞いた時の「なんじゃコリャ!」っていう衝撃は今でも忘れませんし、それ以来、特にこの頃に来ていたアーティストやゲストには事あるごとに猛プッシュしていたのですが、そんなある日の事。LVのロケの移動の車中で後ろの方が騒がしくなって、スタジオ・マネージャーのマークが「フミアキ、ニューヨーク来なきゃじゃん!」ってひと言。なんで?って思っていると「ビリーの撮影が決まったよ!」と(笑)。
すかさず「え?知ってるのビリー?(当時どちらかと言えばまだティーンだけの人気が凄かったのと、意外とファッション系の人もまだそこまでは巻き込まれていなかったので)」と言うイネスに対して「彼、大ファンなんだよ」とマーク。「じゃあ撮影は6月の17日だからちゃんと来てね!」って事で、あれよあれよと行く雰囲気になって、まぁ僕も当初はノリで行っちゃえってくらいにしか思っていなかったのですが、その日が近づくにつれて「何か関係ないのにファンってだけで会えちゃっていいのかな?」なんて思うようになり、いつしか尻つぼみになる自分に、イネスから最後のひと押しのメッセージが。
「あ、翌日のコンサートのチケットは押さえてあるからね」…って。
えぇ!?コンサートもあるの!? それも観るなら絶対にNYだなってずっと思ってた(この時は本当にコンサートが自体が行われる事を知らなかった)ので、もう行かない理由がどこにもないって事で、本当に前々日くらいに慌てて飛行機を押さえて行った3.5泊の弾丸ニューヨーク。これも忘れる事ができない、去年の出来事(この辺りの詳細はこちらを)。
前日というか当日の夜中に着いてチェックインをしたものの、大して寝れずに12丁目にあるスタジオへ。
すでにイネスのスタッフはもちろん、セットデザイナーたちがメイクルームや、レタッチルームのセッティングが始めているも、顔なじみのスタッフがほとんどなのでいつもの懐かしい雰囲気に包まれるていると、そのうち編集長のスティーヴン(ガン)がやってきて、僕を見つけるなり、久々の、そして少し長めのハグを交わすと(彼も相当会っていなかったうちの一人なんだけれど、そこはNY時代の一番古い親友であり、仲人までつとめてもらった家族同然なので)何もなかったようにケータリングの方を指して「キッシュでも食べようよ」と、入った時からずっと狙ってたワゴンの前へ。そう彼と僕の最大の共通点は好きなものが同じだっていう事。
それで言うと結構持ち物もかぶる傾向があって、実際、つい2週間ほど前ににトランジットのついでに日本に立ち寄ってくれた時も、成田に迎えに行って出てきた姿を見て2人で大爆笑。だって全く同じ、黒のナイキのフーディーを着ていたんですから(笑)。
話は外れがちですが、二人でキッシュをほおばると、どちらからともなくお互いの近況を話し合うという、これまた忘れていたけれど25年以上も前からのVIONAIREのオフィスでの慣れ親しんだ光景(写真はランチの別メニュー)。
唯一違うのは、当時の僕らにはお金がなかったので、スタジオ撮影を自らする事は皆無で、依頼したアーティストの作品が完成するまで待って、それがFEDEXで届くか、はたまた僕が彼らのスタジオまで取りに行くか。それがこうして美味しそうな朝食のケータリングに当たり前のように囲まれて、当たり前のようにアーティストがスタジオに到着する時間を待つと言う行為も、感慨深いものがあったわけで。だって食事だって当時のオフィスにあったキッチンでみんなで作って食べていたのですから。
ちなみにこのケータリングはイネスたちが大好きで通っていたオーガニック・フードのお店のもので、今は店舗は閉めてケータリングのみだそう。でも本当に種類も豊富で全てがベジタリアン、そしてビーガン向けになっているんだけどミータリアンの僕が満足するほど、とにかく美味しい…
うん、ちょっと長いですね、これは分けましょう…って事で次回へ続きます(笑)。