「お前の人生最大のホームランは龍之介を授かった事だな」と父親に言われたのが昨日の事のようですが、そんな彼も来月で二十歳を迎え、なんと今日が成人式。
実に感慨深いのか、それともあっという間なのか。正直どう表現して良いのかはわかりませんが、ここまで元気に育ってくれた事を心から感謝しています。
知っている人なら分かると思いますが僕はとてもよく喋るので、もちろん生まれた時から可愛かったけれど、成長するにつれて口数が増え、自分の意見を言ったり、それこそ楯突いたりするようになればなるほど愛おしくも可愛くも思えてしまうのは不思議ですが、昔の幼い頃よりも常に今この瞬間の彼が、本当に愛おしくて仕方ありません。
だからと言って変に甘やかすわけでもなく、健康で、人様に迷惑をかけずに楽しい人生を送ってくれれば親としては大満足ですし、特にどうなって欲しいとも思った事はなく、あくまでも彼の人生だから彼の好きなようにと思っていますが、まぁ強いて言えば、何でもいいから何かこうひとつ夢中になれるものを見つけてくれたらなぁ…とは思っていたのですが、どうやら見つかったようで(笑)。
まだ某ファッション・スクールに在学中なのですが、写真はお友達と一緒に「S.A.W. COAT」と言うブランドを立ち上げて(春、秋、冬しから作らないのでこのネーミングだそう)つい先日表参道で販売・試着会を行った時のもの。
まだお金もないのでコートは1型2サイズのみ(オレンジは会場限定で完売との事)で、あとはその細身のコート(彼らはモルダーコートと言う造語を作ってそう呼んでいます)に合うように、フードを被った時に一番きれいに見えるフーディー、それにレザーのチョーカーとコインケースにトートバッグというシンプルな構成。
コートは工場ですが、フーディーは彼がミシンで1着づつ仕上げていたり、ボタンに至っては本人が3Dレンダリングを起こしてデザインした、925シルバーのオリジナルで、まぁ親の自分が言うのもなんですが、実に良く出来ていると言うのが正直な感想。もちろんデザインもパターンも本人です。
実際、年末年始に日本に立ち寄ったスティーヴン(ガン)と一緒に食事をした時に本人が着て行ったのですが、本当に褒めてくれたのはもちろん、成田に行く途中の車の中に2人だけでいた際に、突然「リュウはとても良いデザイナーになると思う」とボソっと。基本そう言うお世辞とかは言わない事をよく知っているので、こっちが驚いたくらい。
そんな彼もコートはサイズがないので断念しましたが、フーディーの方はゲットしてくれたので、スティーヴンをミラノやパリのショー会場で見かけた際に黒いフーディーを着ていたら、ウチの子のだと思って下さい。ちなみに親の僕に至ってはどちらも入らずでトートぐらいしか買えませんでした(笑)。
まぁ誰の才能を引き継いだのかが一番の謎ですが、兎にも角にも夢中になれる事が見つかって良かったと言うのが本音で、そりゃもちろん上手く行くにこした事はありませんが、それよりも何より、好きな事が生業になってくれれば、親としてはそれだけで満足なわけで…っていう事で、成人おめでとう!
あ、ちなみにウチの子は左の男の子です。