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BLOG - 石光史明(ヴィジュアル・コネクション 代表)

MARIO TESTINO – EAST – マリオ・テスティーノ

 

来年の1/18まで、ロンドンのハミルトンズ・ギャラリーで開催されている、ファッション・フォトグラファーのマリオ・テスティーノの新作を展示した「EAST」。

実はこれ、全て日本国内で撮影されたものなのですが、どれも本当に、本当に素敵な作品に仕上がっているので、ロンドンに行かれる方は、是非ぜひ立ち寄って頂ければと、切に願っています。

早いもので、マリオとはお互いに出会ってから22年。

変わらない、ずっと近しい友達でいれる事への感謝も込めて、彼のために少しでも力になれればと思いサポート出来たことを、陰ながら、そして、本当にとても誇りに思っています。

 

 

個人的にはアートはもちろんの事、音楽でも映画でも何でもそうですが、作品って言うのはパッと見たり聞いたりした瞬間のインパクトで好き嫌いが決まると思っている方なので、あれやこれやと語るのは苦手なのですが、全く興味がない方に「あ、そうなんだ!」って思って、少しでも興味を抱いていただければって言うところで、ちょっとした裏話、Behind the scene 的なものをお話ししてみようかなと(笑)。

この花のシリーズは、日本の屏風絵にインスパイアされて撮影されたもので、本当に絵なんじゃないかと錯覚してしまうくらいの仕上がりなのですが、なんとこの一連のシリーズは、マリオの常宿である六本木にあるホテル「グランドハイアット東京」のバンケットにある金屏風をお借りして、彼の部屋のリビングルームに差し込む自然光のみで撮影されたもの。

このシリーズを仕上げるために、以来、全く同じ部屋を来日するたびに借り続けている彼。

撮影前日に青山のFUGAまで足を運び、自ら花を選び、僕の友人である石井健太くんとの協業で作品を仕上げていった、僕たちの間では最近のお馴染みのルーティーンなのですが、あの時間を、僕は生涯忘れる事はないでしょう。

実は先週まで日本に滞在して撮影を行なっていたマリオ。今回も新作を追加して、更なる進化をし続けているこのシリーズ。今後の展開にもご期待下さい。

 

 

そしてもう一つ印象的なのは、東久邇宮国際文化褒賞も受賞された、横浜・三代目堀よしさんの和彫のいわゆる刺青をキャプチャーした「TATTO」シリーズ。

初めて横浜にある堀よしさんのスタジオに足を踏み入れた時の緊張感。日本人の方であれば何となく察しは付くと思われますが、それも束の間

堀よしさんに心底惚れ込み、日本中から集まってきて下さった方々の想いを、ひしひしと感じる事になるわけです。

僕は常々マリオとの撮影を通しての時間を”Enchanted”、そう、まるで「魔法にかけられたような」って表現をよく使うのですが、これらの作品を実際にご覧頂ければ、その意味を感じ取って頂ける事でしょう。

ただ、ここでひとつ付け加えるのであれば、マリオの作品の中には、偶然から生まれた作品は一つもないという事。作品作りのアプローチは人それぞれですので、もちろんどれが正しいとか否かはないのですが、彼ほど初めから明確なVISIONを持ち、自分が欲しいものを、そして当然の如く思いのままに形に変えて行く傍らにいるその瞬間こそが、まさに魔法にかかっているのかもしれませんし、今回この撮影のために集まって下さった被写体の皆さんも、同じような気持ちを、三代目堀よしさんに対して感じられている事だと思います。

もちろんこのTATOOのシリーズも、今回の滞在でさらなる進化を遂げていますので、今後にご期待下さい!

そして、そう遠くない将来、この2年余りで撮り続けた作品を、日本の皆さんに様々な形でお見せできるように、自分にでき得る最大限の努力は惜しまないつもりですので、楽しみにしていて下さいね!

長々と書き記しましたが、兎にも角にも本当に素敵なショーですので(自分自身は彼の来日のコーディーネートの都合でオープニングには行けなかったのですが)冬休みにロンドンにいかれる方や、現地にお友達がいる方は、是非教えてあげて貰えればと思いいます。

 

 

最後になりますが、この上のIGTVは、その先月18日に現地で行われたオープニングの模様ですが、終わり方のゲストの顔ぶれを見てもらえれば、わかる人には分かってもらえるでしょうし、この瞬間を誰以上に待ちわびていたであろう、マリオの歓びが手に取るようにわかり、胸が熱くなる映像なわけで…

え?遂にマリオが復活ですって?

いいえ、彼は昔も今も、そしれこれからも、シーンを牽引して行く最高のアーティストの一人でであり、素晴らしい、最愛の友人です。

 

 

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