BLOG - 原田直俊(STANDARD CALIFORNIA)

薩摩切子

プレゼントで頂いた薩摩切子の猪口。
これがとても素晴らしく、薩摩切子がどのように生まれたのか気になり歴史について少し調べてみました。

薩摩切子(さつまきりこ)とは、薩摩藩によって幕末から明治初頭にかけて、薩摩(鹿児島)で生産されていたカットガラスの総称。

透明ガラスの上に色ガラスを被せた「色被せ (いろきせ) ガラス」にカットを施した際に生まれる、「ぼかし」と呼ばれる独特のグラデーションが魅力のガラス細工です。

1851年に薩摩藩の第11代藩主となった島津斉彬(しまづなりあきら)の指示によって、外国との交易品や大名達への贈り物として開発され急発展を遂げました。

日本を代表する二大カットガラスとして「江戸切子」、「薩摩切子」が知られていますが、庶民の日用品として作られた江戸切子に対し、島津藩の御用達として作られた薩摩切子と、作られた背景が異なるんですね。

その後、残念なことに島津斉彬が49歳という若さで急逝すると一気に衰退し、わずか20年程で薩摩切子はその歴史の幕を閉じ「幻の切子」と呼ばれていました。

しかし、それから100年以上の月日を経た1985年以降、島津家に残された当時の資料を参考に、ガラス職人や研究家の協力を得て薩摩切子の復刻に成功。1989年には復刻した薩摩切子が鹿児島県の伝統的工芸品に指定されました。

復刻は復刻でも170年も前のガラス細工を蘇らす、日本人の技術や情熱は感慨深いですね。

 

生産工程を映像で見ましたが、簡単なラフを書いたら一発勝負のフリーハンドでカットしていく職人技にしびれました。
削る事で生まれるグラデーション、カット、そして手に持ったときの重厚感がなんとも心地よい。
何か特別な日には、これでお酒を楽しもうと思います。
素晴らしいプレゼントをありがとうございます。

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