BLOG - 石光史明(ヴィジュアル・コネクション 代表)

INEZ AND VINOODH “VIRGIL ABLOH” ヴァージル・アブロー

前回の最後にもチョロっと触れたのですが、なんとなくブログの更新が止まってしまった理由のひとつが情報解禁日の問題。まぁ書ける所までは書こうかなと思ったのですが、結構これが難しくて。

昨年のイネスたちの来日はLOUISE VUITTON MENの’19AWのキャンペーンの撮影だったのですが、撮影されたのが4月、もちろん本人たちが日本にいるようなツイートやストーリーズ(本人がアップしいる範囲では)僕もできるのですが、その内容はもちろんの事、ロケーションが臭うようなポストができない…っていう事が続いてしまいまして(…っていう半分以上は言い訳)。流れで言うと(これは次回に書きますが)最終的に立ち消えてしまったBillieのくだりも本当にトップシークレットだったので中々難しくて…そうこうしている内に次々とゲストが来て追いつかず(笑)。

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Welcome to #virgilabloh ‘s world for @louisvuitton MEN ! Proud of these snowglobe ads we’ve created to celebrate the micro cosmos of @virgilabloh art directed by @beg00dstudios styled by @christinecentenera make up by #kanakotakase hair by @hairbytaku production design by #kikouohta casting by @takaresaka and @samuel_ellis lighting director #jodokusdriessen assisted by @joefhume and @shojivankuzumi production by @h.k.production and @solasteph @tbirbilis @fumiaki_ishimitsu steady cam by @pscottsakamoto finished by @stereohorseinc ♥️ here are @takanori_iwata_official @viral_booy @minamiasanari @rabuann @octavianessie and @malickbodi in the first video of the TOKYO SERIES out now edited by @danielcdoran finished by @thomasgifford color by @timmasick ! Kisses iv

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まぁ前置きはともかく、初めにヴィトンのキャンペーンって聞かされた時に「え?どういう事?何で東京なの?」って言うのが正直なところで、US VOGUEとかの特集でヴィトンを撮るんじゃないのかと思い何度も聞き直したくらいに驚いたのですが、それよりも何よりも2人が来るって事が嬉しくて♪

久々の再会は、NY時代に良くみんなで行っていたMercer St. にあり現在は六本木にある蕎麦屋、HONMURA-AN。子供の頃は祖父母と荻窪の、若かりし頃は六本木(屋号は日本語の「本むら庵」の時)で毎年の年越しそばをと40年近く、何かとお世話になっているお店。

時間の関係で直接お店で待ち合わせをしたのですが、顔を見た瞬間に会わなかった時間の溝は一瞬にして埋まり、2人はもちろん往年のアシスタント、そして初めて会うスタッフたちも「やっと会えたわね!」って言うお馴染みのファミリー感。

そう、これはマリオやジャン=ポールの場合も同じなのですが、彼らのスタッフにしても、友人としてもそうですが、長年の家族感が強いって言うのが正直な感想。だからこそお互いの考えは手にとるようにわかるし、何を欲しているかはもちろん、どのタイミングで提案したり、あるいは放っておいた方がいいのか。逆に他の人が意見できない事が言えたりと、そこに日本人特有の上下関係や厳密な雇用関係がない、長年の友人だからこその僕の絶妙なポジションは、ある意味「緩衝材」として、本人たちはもちろんその周りからも重宝されているのかなぁ…なんて思うこともあるわけで。

ただいつも思うのは、間違いなく自分よりもファッションや業界に精通している「適任者」がいるだろうに、変わらずに声をかけ続けてくれているのは本当に嬉しいし、その気持ちに少しでも応えたいと思っています。

話はかなり逸れてしまいましたが、翌朝から始まったロケハン、そして撮影と、全てがスピーディーに行われる一大プロジェクト。アーティストによって撮影スタイルは様々ですが、基本的に最初から欲しい画が彼らの中で明確にあるので、いわゆる皆さんが映画やドラマを通してイメージするように、何カットも念のために撮り溜めてその中から渾身の1カット…とか、なかなか納得がいくカットが撮れない…って言うスタイルには程遠く、ある程度時間が掛かると思っていると「え?もう終わりなの?」って味気ないかもしれませんが、この辺りは常に世界中を移動しているジェット・セッターならではで、仕事を次の現場に持ち越さない、これは自分の周りのアーティストに共通している点かもしれません。

ちなみに今回は原則ワンカットを撮ると、パークハイアットに設置したBASE(基地=全てののスタッフが一堂に介せるスペースで、全コーディネイトにアクセサリーはもちろんオーディションや食事もできる)に戻り、イネスたちはそのまま仕切られたブースに入って、編集オペレーターと3人で作業をして、その場でヴィトンのロゴが入ったほぼ完パケ状態のレイアウトが出来上がると言う具合。最終的なレタッチは必要であればNYのスタジオで行われますが、基本そのカットはこれで終わり。

面白いのは「あなたはいいわよ」ってずっとその編集作業をイスを持ってきて見させてくれると言う事。そして、毎回いつも思うのは前述した通りの「本当に1mmのブレがない明確なヴィジョン」。これはVISIONAIRE時代からスティーヴンに対しても、マリオにしても、イネスたちにしても、もちろん最初から打ち合わせをして意見を交わして、そして撮影に臨む訳ですが、僕自身も完璧に理解し意志の疎通ができているにもかかわらず、出来上がってきた作品を見るたびに打ちのめされるというか「やっぱスゲぇな!」って言う驚き。その始まりから過程を通して、最後まで1mmのズレがあるかないかが、アーティストなのかそうでないかの決定的な差だと僕は思っていますし、錚々たる面々がそばにいてくれたお陰で、いつまでもアーティストになる夢を抱き続ける事なく、彼らをサポートする側に回りたいと思う事が出来たわけで。

でもそんな僕でも「あぁ、作品作りに参加出来ているんだぁ」と思えるのはそんな作業の最中にモニターをみながら「どう思う?」と聞かれる時。これ面白いんですけれど、結構な確率で意見が通るんのですけれど、思うにきっと僕がどっちが好きかを分かっていて、かつそれが彼らの答えと同じ時にその質問をして、僕のモチベーションを高めてくれているのかなぁと(笑)。

もちろん今回はワールドワイド・キャンペーンと言う事でクリエイティブ・ディレクターのヴァージルも、Coachellaから駆けつけて合流。撮影済みのイメージを見ながら狙いを的確に指摘するあたりは流石だなぁと思っていたら、ロケ先の隣のオフィスにDJブースがあるのを見つけるや否や、打ち合わせ中にもかかわらず、関係ないのにシレッと入っていってプレイを始めてしまったのがこちらの映像。インスタにもストーリーズにもアップしてない下の映像の音源の元ネタですが、こんな長いブログに付き合ってくれた皆さんだけにお見せしますね(笑)。

ちなみに今回のコンセプトは宇宙船で地球(東京)に降り立ったエイリアンの目線なんですけれど…分かってもらえていれば幸いです❤️

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