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天王洲アイルにあるTakuro Someya Contemporary Artにて伊勢周平による絵画展「ただの絵」が開催されている。作家にとっては2017年の個展「ぶっきらぼうな筆」以来3年ぶりのこのギャラリーでの展示となるそうだ。1986年生まれというこの若手作家は東京藝術大学にて油彩を研究し2017年に博士課程を修了しているとのことで油彩に関してはかなり深い知識と経験を積んでいるに違いない。展覧会タイトルの「ただの絵」という表現には絵とはそれ自体が外観だけではなく我々人間と同じように内面も持つ存在だというようなコンセプトと、描く者の意図するところとそれを見る者が感じるところには隔たりがある性質のものであるというような意味合いがあるという。ギャラリーの中に展示された抽象的な絵を見るにつれシンプルなようでいて実は非常に深い絵であるということは直感できる。見るほどに滲み出るような何かを感じずにはいられない絵とでもいうべきか、作品のサイズは大小あれど全てが変わらぬ熱量で存在しているようで静かな迫力を感じた。油絵に限らないが絵という物の物としての存在感をここまで突き詰められるのは凄いことだし今後にも期待したい作家である。

今回で一番の大作の油彩作品。繰り返される塗りが重なる。

小さな作品もその密度で大きさは関係ない迫力である。

色彩の絶妙な使い方、筆致の豊かさがいい素晴らしい。

禅の世界のような達観した姿を感じてしまった。

透き通るような繊細な青い色がいい感じである。

何かを主張しようとしているような止まったままのような。

動きの躍動と静止した静けさを同時に感じてしまった。

なんとも言えないオレンジ色とピンクの織りなす世界。

 

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