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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

パーフェクトデイズ

 遅まきながらヴィムベンダース監督作品、役所広司主演の映画「パーフェクトデイズ」を観た。周が絶賛の嵐なので、これは観ずにはおられまい。

 これは良かったです。

 映画を観た後の感想戦というのをあまりしない私が、これについては一緒に見た妻に滔滔と語ってしまった。

 とにかく余白のある作品である。邦画(ではないけど)にありがちな説明するためのセリフがない。でもどういうことかちゃんとわかる。ネトフリ作品に多い、伏線回収がまったくない野放図な未責任さもない。

 しかしこの作品が表している豊かさは、社会の上流にいる人たちから見た視線であって、その日暮らしをしている人たちからすれば、一体なんの話かわからない。カメラマンのMが本を読み、音楽を聴いて、映画、演劇を観ている人なら楽しめるが、テレビしか見ない人たちにはわからないかもですねと言っていたのが印象的だった。

 お互いゲットー育ち。そういう感覚が共有できるのっていいなと思いつつ、昨夜は火鍋をつつきました。

 

 

 

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