研ぎ澄まされたコンセプトがある物が好き。
石塚元太良。
彼に出会ったのはちょうど10年前。
尊敬する日本のサーフアート第一人者Palm Graphics豊田さんが開催した、「ザ・サーフ・ショップ(THE SURF SHOP)」というサーフィンと海をこよなく愛するクリエイターたちがサーフショップを創造するというアートプロジェクト。
錚々たるメンバーが集まったアートショーでしたが、その中で物凄いパワーを感じる氷河の写真を目の前に、脳がグラついたのを鮮明に覚えています。
知り合いの事務所にある巨大な氷河の作品も、毎回動きが止まってしまうほどの迫力と鮮明な美しさにいつも惚れ惚れしてしまうのです。
パイプラインという作品も彼の代表的な作品で、アラスカの大自然の中にパイプラインという人工物が、コンピューターグラフィックではめ込んだように同居する写真は、あまりの衝撃に即座に購入を決めている自分がいて、大事に貯めていたヘソクリを使い購入w。
鉄人自ら設置に来てくれたの画像。
いつも彼の活動にワクワクしている自分が居るのです。
彼の作品は検索すれば様々インタビューがあるので僕がああだこうだ話すのは割愛しますが、
とにかくたった1人でアラスカの大自然に立ち向かい、熊に遭遇しながらもシーカヤックに10日分の食料、8×10なんてどデカいVINTAGEカメラを乗せ、暗室作業などしたら1枚約7000円前後するフイルムを使い、その場で確認確認できない写真を撮影し、日本に持ち帰るという、究極にアーティスティックな人生を送っています。
彼によれば、ただひたすら一日中カメラのレンズを覗きながら一枚も撮影しないことが殆どのようで、ある日のたった一瞬、風も何もかもが動きを止める、まさに映画のように時空が息を止める瞬間があるようで、その数秒の中でシャッターをポチり、と一度だけ押すという…。
そして日本に帰り現像するまでその画像に触れることのない旅を続ける。
なんというストイックさ。
その一瞬に全てをかけ、その動きに1ミリもブレのない絶対的な自信があるからこその行動。
これが真のアーティストなんだなあ、と同い年ながらも尊敬極まりない人。
ある日、鎌倉での商談が終わり、御成の名店”静雨庵”に向かうと、居ました、石塚氏。彼は鎌倉に暗室を持っていて、暗室作業をするためにチョイチョイ出没するんです。
ここの名品ネギ味噌ラーメンAセット、どこか懐かしいクラシックスタイルのラーメンです。そして横に並んだ揚げたての唐揚げ弁当。これがまた秀逸で、この日ばかりは炭水化物万歳なメニューを堪能してしまうのです…。
そこから石塚氏が愛してやまない名店、”ロンディーノ”へ。
ロンディーノブレンドを堪能しながら、ステキな展示の案内を頂きました。
The North Faceで行われる彼の、氷河日記 アイシーベイ展示及びトークショー。
行ってきました!
彼がアラスカにハマり、自分のスタイルに辿り着いた理由、写真家としての哲学、これからのこと、などなど惜しみなく語られたトークショーは来場された方にしか体感できなり魅力に溢れた時間でした。
受け手はノースフェイスカルチャーを体現する男、田中ランヨウ氏、そして鎌倉を代表する編集人、歩く日本文化地図、翼の王国副編集長渡辺卓郎氏のセッションはとにかく面白い、の一言。
本当に来て良かった!
圧巻の展示は原宿に新しく出来たTHE NORTHFACEのお店 ALTERにて10日間ほど展示されるそうです。
Exhibition
「氷河日記 アイシーベイ」
石塚元太良
2019年 9月 5日thu — 16日mon
Reception: 9月 5日thu 19:00–21:00
@THE NORTH FACE ALTER
東京都渋谷区神宮前6丁目10 – 9 tel. 03 6427 1180
Books
「氷河日記 アイシーベイ」
発行 2019年9月5日 初版 500部限定
デザイナー 仁木順平
協賛 THE NORTH FACE
ギュンギュンに詰め込んだ1週間でしたが、ビール2杯と心地よい時間にとにかく満たされた1日となりました。
ステキな時間をありがとうございました。
ナカダ