加藤忠幸。
今の僕がビームスのディレクターで居られるのはこの人の存在無しでは語れない。
2008年ビームスプラスバイヤー時代、鎌倉に住み始め、衣食住様々なコトに興味が広がっていたタイミングで、この人と仲良くなりました。
たまに帰宅時間が重なるときがあり、「お、一緒に帰ろうぜ〜。」的なニュアンスで大船までの約1時間が、僕のサーフスケートファッションの寺子屋となるのです。
お互いの過去の歴史を話したり、共通のファッション遍歴(ギャルソン、マルジェラ、裏原などなど)で盛り上がり、大船で途中下車してワン缶なども多々やってました。
そんな中、2010年くらいだったか、
「カトさん、オレ大学時代にヌードトランプで買ったVAN DOREN、復刻したら絶対売れると思うんすけど、別注してくれませんか?」と生意気にリクエストを。(当時ビームスプラスのバイヤーでめちゃ後輩がBセクのバイヤーにこんな意見をすることはなんかタブーな気がしていたのと、お前、自分のコトもろくに出来ていないのに、他の企画のリクエストしてんじゃないよ、という気持ちがありましたが、加藤はその辺めちゃくちゃフラットで、むしろ他の畑からの話を楽しんでくれる人でした。)
すると、
「おい、シンちゃん、それ絶対ヤバイよ、めちゃ良いじゃん!ダメ元で聞いてみるよ!そういえば昔のVANSは今と違って〇〇だったなあ。〇〇も昔の特徴で、良いよな!」
と加藤より驚きの返答!
トントン拍子で話が進み、この別注が完成致しました。
細めの70年代を彷彿とさせる木型を使い、VAN DORENヒールパッチ、そしてヒールの4本ステッチなど様々復刻のディテールを満載に取り入れ大満足の仕上がりとなりました。
時はサーフブームが始まるちょっと手前。
爆発的に売れて、様々なバリエーションで復刻して頂きました。
それがキッカケでビームスセクション(略してBセク)のチーフバイヤーに呼んで頂き今に至ります。
なので、加藤の企画するVANS別注は僕にとって特別な存在になりました。
やはり加藤の顔と言えば、
“裏VANS”。
アーティストとして参加した、VANSのアートショー用に加藤が考えた裏OLD SKOOL。アートとしては満点、靴としての完成度としてはなかなか難しく、自分は販売することはNGに致しました…。やはり靴として完璧な物を提供するのが僕らのの役目でしたので。
色々話して別注としてリリースしたのはSlip on。これが最高にカッコ良かった。
チェッカーフラッグのスリッポンを裏返したという設定。何より新しかったし、ワクワクするようなアイデア。ソールまでワッフルが表裏逆!
Off-Whiteの再構築NIKEも素晴らしいアイデアですが、自分にとっては先にリリースしていたこの考え、誇れる思い出となりました。
その後も、”All Black”、
終いには、一番最初にやりたかった”裏OLD SKOOL”までw。
裏シリーズ意外にも、ポケット好きな加藤らしい、キャップトウみたいな”Pocket Slip On”、
先日リリースし、大反響だった”MIX SKOOL”。これはOLD SKOOLと隠れた名品KNU SKOOLをミックスするという、これまた加藤ならではの企画。
箱を2種類混ぜ合わせてるところもイチイチカッコ良い。買わないはずかありませんw!
そんなアイデアマンの加藤と同じ職場で一緒に働けるのは、人生においてのかけがえのない財産だなあ、とふと感じたのと。今日の台風のように様々なコトを荒らす加藤のスタイルがなんかダブったので、ブログしてみました。
これからの加藤のBEAMS SURF&SK8、SSZの企画を楽しみにしていてください〜。
裏VANSを履いてロンドン行ったらはちゃめちゃに質問されたのと写真パパラッチされた良き思い出のインスタと共に…。
ナカダ