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2020年の現在、フリースといえば、ユニクロがその代名詞と言っても過言ではありません。ユニクロがなければ、この素材は現在ほどポピュラーな存在にはなっていませんから。

一方で自分たち世代にとってフリースといえばパタゴニアでしょう。90年代の初頭、シンチラと呼ばれたパタゴニアのフリースは、街でもアウトドアでも憧れの存在でした。同社の製品はコロンビア、エディバウアー、L.L.Beanといったブランドの製品と比較すると高価なこともあり、パタグッチと、そのプライスを揶揄する人も存在しました。実際に2012年に高級リゾート地として知られるコロラド州べイルで行われたTeva Mountain Games(現在は冠スポンサーがGoProに代わり、GoPro Moutain Games)に参加した際、アングロサクソン、躾の行き届いた大型犬、パタゴニアの組み合わせは大袈裟ではなく75%ほど。バリバリのアウトドアアスリートだけでなく、上流階級に愛用者が多いのは事実です。そんな彼らの間で着用率が高かったのが、アメリカ市場のベストセラーであるベターセーターと前述のフリースを使用したシンチラ スナップTです。

多くの人がパタゴニアを象徴するアイテムであると口を揃えるシンチラ スナップTが誕生したのは、今から35年前となる1985年のこと。マサチューセッツ州ローレンスで工場を操業していた織物メーカーであるモルデン ミルズが製造するポリエステル製フリース素材であるポーラープラスを使用し、この素材をパタゴニアはシンチラと呼びました。synthetic chinchilla すなわち人工のチンチラ(南米チリ原産の小動物で毛皮目的に狩猟された)という意味です。シンチラを用いたプロダクトはパタゴニアには数多いですが、知名度でいえば、このスナップTがNo.1でしょうね。個人的には、それ以前から存在を知ってましたが、1990年発行の雑誌POPEYE No.310 「’90年板 渋カジ 必携 インポート FASHION カタログ」で強く興味を持ったものの、当時の自分には高かったのと流通量が少なくて買えないのが実情でした。最初にシンチラを買ったのは1997年に上野のアートスポーツでグレーのフルジップタイプ。シンチラジャケットです。最近になってオークションサイトやフリマアプリで初期の”いかにも”なカラーリングのスナップTを見つけると、思わずポチる自分がいます。このネオンピンクの1着は、先月の戦利品で、昔を思い出させてくれる独特なカラーリングが◎ですね。

 

この当時はもちろんMADE IN USAですね。

 

この不織布のタグにはリリース時期など様々な情報が。F9の表記は、この場合1989年FALLを意味します。

 

雑誌POPEYE 1990年3月7日号 No.310。この号は月並みな表現ですが、隅から隅まで熟読しました。

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