はじめまして、編集の須藤です。
4月に入社して早10ヶ月。何がやりたい? と上司に聞かれるたび映画映画と言っていたら、今号のアンプラグドでページをもらえることに。図々しさを受け入れてくれる会社でよかった。新卒・中途採用、絶賛募集中です!
さて、テーマに設定したのは「海賊版DVD」。いわゆる違法に複製されたDVDのことで、“ブートレグ”と呼ばれることもあります。日本でも一時期、販売会社が取り締まられるニュースがありましたね。著作権を無視しているうえに、作品への冒涜とも捉えられかねない海賊版ですが、なぜそれらが生まれたのかはあまり語られてきませんでした。本誌では、中国映画市場の実情とともに、ダメとは言い切れないその裏事情を探っています。発売は3/24(火)、よろしくどうぞ~!
ところで、人間って何時間くらい座っていられると思います?
気になってネットで調べてみたら「116時間(4日と20時間)」という数字がでてきました。これはベルギー在住の男性がギネス記録で叩き出したもので、なぜかイスではなくトイレに座りつづけた最長記録だそう。1時間ごとに5分休憩OKというルール付き、謎。
その様子を記録した動画がこちら、ジワジワきます。
なぜこんな話をしたかというと、来たる4月、なんと“8時間15分”におよぶ映画が公開されるからです! 長すぎる! お尻!
痔持ちを寄せつけないその作品は、ワン・ビンの新作『死霊魂』。山形国際ドキュメンタリー映画祭2019で大賞と観客賞を獲ったことで話題になりました。50年代後半に起きた中国共産党の反右派闘争で追放された人々が、半世紀以上の時を経て、それぞれの体験を語った様子が収められています。東京では、長編陰鬱映画を得意とするイメージフォーラム他で観られます。
予告はこちら。
個人的には最近だと、ラヴ・ディアスの『立ち去った女』(3時間48分)、タル・ベーラの『サタンタンゴ』(7時間18分)も観るのがやっとでした、めちゃめちゃ面白かったけど。2回休憩があるとは言え、8時間15分なんて…そもそも人来るのかな。
と思ったんですけど、いかに観客を映画館に来させるかが課題の時代に、玄人もひるむ超長編の映画つくっちゃうのってやばくないですか? 大衆に迎合してない感じ、逆に気になりません? 観つづけた者(座りつづけた者)にしか開かれない境地がきっとあるはず。8時間15分でしか語り得ない凄まじい真実を知りたい方は、ぜひ劇場へ〜。