アンプラグド編集長の蔡です。
コロナが我々の生活に影響を及ぼしてちょうど一年。去年の今頃は海外での医療崩壊などが喧伝されて、東京が二週間後のニューヨークになるなんて脅されていたころ。どこかからまわってきた関西弁を話すニューヨーク在住女性の動画にたじろいだもんだ。
同時に日経平均株価はどん下がり。そしてついに4月上旬からおよそ2ヶ月に及ぶ、緊急事態宣言となった。
あの時はこのウイルスがどれくらい脅威なのか、どれくらいの感染力なのかまったくわからなかったのでみんな右往左往だった。なので進行中の仕事以外、ほとんどが見送りになり、会社組織を運営しているこちらからすると、東日本大震災後から福島原発爆発以来のトラウマが蘇ってきた。あの時もそうだったが、もう会社だめかもと覚悟し始めた。
しかしレジリエンスというか社会の回復力は想像していたよりは鋭角で、夏前には日常が戻りつつあった。
ギリギリまでアンプラグド秋号発行の可能性を探っていたが、ほとんどのプレスルームは閉鎖。取材先も不要不急な我々の仕事に合わせてもらえず、ほとんど何もできない状態。カメラマンやスタイリストも仕事を調整していた。要するに全方面から詰まされていた。
そして発行を断念。楽しみにしてくれていた方々にここにお詫びします。
昨年夏から暮れまでの間になんとなくコロナとの距離感も掴めてきた。手洗い、消毒、そして密にならないという予防をすれば異常に恐るるに足らないと。周りに感染者も出始めていたが、そこからクラスターになっていないことを考慮すると、きちんと予防措置を取る限り仕事はできると。
そして今号の発行をすると強い決意のもと、制作を始めたのが昨年暮れ。年が明けてすぐにまた緊急事態宣言がなされるとは想像していなかったが。
しかし慣れって恐ろしいもので、いつの間にかコロナなにするものぞというような得体の知らない勇気のようなものが生まれ、こうして新号を届けられるようになった。
コロナ、かかるとやっかいな場合もあるようだが、思いのほか感染力は強くない。若者は死なない。老人を守るためになるべく彼らに近寄らないようにしながら、社会を回していこう。社会回すというのはお金を使うこと。アンプラグドよろしくお願いします。
一年ぶり。本日発売です。