CLOSE
BLOG - 手嶋 慎(MAKERS デザイナー)

ローファー②

前回のお話しの続き

ざっくり粗筋りますとMAKERSのローファーは他と真逆なプロダクションによって製作されてるって話でした。
以下コチラを読み合わせて頂けるとスムーズです。

中底にベリー(牛革の脇腹)を使う理由ですが、繊維質があまい革を使用することにより数段馴染みが早いんです。

グッドイヤーウェルト製法っていうのはそもそも中底(インソール)が沈むことによって足馴染みがよくなるっていう製法なので。

高級な紳士靴、もしくはハンドソーンウェルテッドで使用されるようなどぶ掘りタイプの革中底はほぼ沈みません。

以下脱線

ですのでオーダーメイドには必須部分かと。というのは自分の足型になぞって木型を製作するのでできあがった時点で自分の足にそった作りになっているからなんです。逆にいうと中底は沈んではいけない。っていう結論。
アッパーの革を伸ばして馴染ませる感覚といいましょうか。

話を戻しますが、以前はソールに関しても色々と悩みましたが、うちのアイコンになりつつあるビルトライトヒールは外せず、オイルベンズも然り、オイルがたっぷり染み込んである革の履き心地は、革靴とは思えない感触でして。

結果ソールのフロントに貼ってあるミッドソールを外すことにしました。そうすれば軽量かつ反りがよくなり踵の喰いつきをよくすることに成功した上にバンプ部分の負担も軽減できました。

そんなことでって思われるかもですが、足は洋服とは面積が違う事と体を支えるっていう役割を果たしている為に、ミリ単位の調整で色々と変わってきます。(例えば甲ベルトの張り位置角度を2mm程ズラしたり)それが一発でできればよいのですが、自分の経験上それは皆無でして。

デザインバランスをとりつつ履き心地を加味しながら作り続けた結果5年ほどかかってしまいましたが、現在で自分の納得のいく8割部分まではこぎつけたかなと思います。

あーだこーだと言ってきましたが、

いいなって思って履いて即決。っていうのが一番喜ばしいです。

それにはこれからまだ時間は必要な気がしてます。

8月2日まで渋谷で受注会やってますので宜しければ是非。

勿論コロナ対策もしっかりしております。

SCHOTT GRAND STORE TOKYO

UPDATE BLOG

ブログトップもっと見る