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パリの近代美術館では大掛かりな改装工事の後の展覧会としてアーティストHans Hartungの回顧展が開催されていた。フランスで活動したドイツ人で近代の抽象絵画に多大な影響を与えたというこの作家のことを知らなかったのだが展覧会には300点あまりの作品が展示されていて素晴らしい展覧会だった。戦争など激動の時代にあっても絵画の制作を止めることはなく描き続けたという作家の作品を見るにあたり彼が抽象表現のありとあらゆる可能性を追求したということがよく分かった。時代を追うごとに表現のスタイルは変化するが根底には全てのバランスを徹底するという同じコンセプトが見て取れた。特に晩年のドリッピング的な手法を用いた作品に至ってはより自由で大胆な絵画作品が生まれたと感じた。近代の抽象表現というとアメリカのムーブメントしか知らなかったがヨーロッパにも素晴らしいアーティストが存在したということを思い知らされる展覧会だった。

パリの近代美術館は大規模な改装工事を終えたばかりだという。

晩年位かけての作品はかなり大胆でありずば抜けている。

親子で展覧会に来る人も多いパリだが美術への興味が伺える。

これは初期の作品であるが絶妙なバランスである。

日本の書などにも通じる精神性を感じる作品だ。

これは具象的だがピカソのある時期の絵画にも通じる気がした。

こちらも家族で美術鑑賞。小さい頃から美術館に通うのだ。

木材の板に着色してスクラッチした作品も素晴らしかった。

自由な曲線はこの作家の好む表現方法だったようだ。

力強いブラシュストロークが存在感を放つ作品。

これは晩年の作品だがかなり冒険的な表現である。

スプレー的な表現も多く用いたのはグラフィティーまで繋がる?

改装によって美しい壁面のギャラリーになったようだ。

これも晩年の作品だが非常に自由であり躍動している。

これをして作品とするのが大胆不敵と言わざる終えない。

極めてモダンであると同時に普遍的な印象の作品である。

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