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今年2月にミラノで行われた国際メガネ展示会「MIDO」で出会ったアイウェアブランド「LAPIMA」。ブラジルでデザインされ、すべてブラジルにある同ブランドの工房で職人たちがハンドメイドで仕上げている稀有なアイウェアブランドです。

1980年代後半から毎年世界中のメガネの展示会に出席していますが、そうした中でも「LAPIMA」は10年に一度出会えるかどうかの価値あるブランドです。

「LAPIMA」のデザイナーはブラジル人のGustavo Assis(グスタフォ・アシス)氏で、奥様のGisela(ギゼラ)さんと共にブランドを立ち上げました。

それ以前2人はブラジルでハイエンドファッションのセレクトストアを経営していましたが、Gustavoがその店の企画や運営で他の店では行っていない様々な創造力を発揮して成功していたことと、建築やアートにも非常に造詣が深かったため、自身のクリエイティビティを建築のように立体的なアイテムで発揮する道を考えて、アイウェアのデザインを選択したそうです。

サンパウロにある「LAPIMA」の直営店。店舗や展示会のブースもすべてGustavoとチームがデザインしています。

またもう一つ「LAPIMA」の大きな特徴として、GustavoとGiselaはブラジルの自然、街、ブラジルでのライフスタイルを強く愛しているため、コレクション全体に渡ってブラジルが表現されていることが挙げられます。

ブラジルの広大な森林の色や海の色を表現しているデザインもありますが、ミラノの「MIDO」展で一番目を惹かれたのは、ブラジルの多面的な魅力を写真に収めて様々な方法で展示してあり、それがコレクションと一体のようになっていたことでした。

それ自体も非常に魅力的だったのですが、私が色々な写真を見た際にGustavoとGiselaが表現したいことは、コレクションでも写真でも同じように表現されている、と感じました。皆同じ様に感じるのかどうか分かりませんが、私にはコレクションとGustavoが撮り集めた写真を見て行くと、どちらも見た方が「LAPIMA」への理解と惹かれ方がより大きくなる! と思えました。

アイウェアにおいて建築のように立体的な意匠を実現する上で、3次元的な構造をイメージしていたGustavoは自分の構想をいくつものメガネ工房に相談したそうですが、「製作が難しすぎる」「できたとしても非常に手間が掛かるため、高価になり販売しにくい」などネガティブな反応ばかりがかえってきて、なかなかデザインを形にすることができずにいました。

この複雑で立体的な曲面が「LAPIMA」の真骨頂だが、いろんな工場に製作を断られて自社工房でしか作ることのできないデザイン。

途方に暮れていたところ、たまたま経験豊富なメガネ作りの職人に出会うことができ、Gustavoが考えていた皆が見たことのないデザインを形にする方法を編み出すことに成功したのです。初めは数モデルを地元の知人・友人たちに掛けてもらって試行を繰り返して行き、デザインと装用感の完成度を上げて行きました。今では30人近くの職人が自社工房で「LAPIMA」を作っています。

2016年にブランドを立ち上げ、18年くらいまでにはコレクションとして完成していたのですが、その後、新型コロナの世界的蔓延があり、南米からヨーロッパ、アメリカまではある程度支持を得ていたもののアジアではほとんど販売されておらず、今回「グローブスペックス」が日本での初めての紹介になります。

多くのアイウェアのデザインはクラシックをベースにしていたり、何か元になるスタイルの存在がある場合が多いのですが、「LAPIMA」のデザインは見たことのないスタイルが多いのです。もちろんラウンドやスクエアといったスタンダードな形も一部ありますが、「LAPIMA」の手に掛かって立体的な意匠で表現されると、スタンダードな形も「LAPIMA」デザインとしか形容し難い独自なスタイルになっています。

そして、一見ボリュームがあって重そうに見えますが、実際は削ぎ落として3次元的な意匠を作っているので、思いのほか軽くて快適な掛け心地です。ファッションの世界にいたバックグラウンドに加えてアートや建築にも造詣が深いこと、ブラジルの自然や街、時間の過ごし方など自国を愛していることすべてが「LAPIMA」のアイウェアを特別なコレクションにしているのです。

日本への入荷が初めてなので、しばらくの間「LAPIMA」のアイウェアを見ることができるのは「グローブスペックス」のみとなります。5月1日(水)から「グローブスペックス」の各店舗でご覧頂けます!

「LAPIMA」に出会ってから俄然ブラジルに行ってみたくなりました!

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