昔ロンドンのジェントルマンをスナップした雑誌の写真でビスポークのかっちりしたスーツを着たおじさまがカフスや襟が擦り切れたシャツを普通に着ている…というのが非常に印象に残っていて…。
大事に着る・着続ける・擦り切れても着続けるその頑固一徹な感じと擦り切れたものも良しとするバンカラ具合にあこがれたものです。
パッチワークだらけのロンドン・ロブのビスポークを公式のセレモニーに履いて現れる王室のあのひとにも通じますね。
以前から気にはなりながらそのまま着続けた襟腰が破れたアイクの白BD2枚…リースで貸し出すので整理したらあらためて被害のひどい2枚は返却された後に修理におねがいしようと意を決しました。
コーダさんにお願いするのですが、”これこれこういうお修理方法がありますけど?”という問い合わせもあるし直接お話ししようと、あえてお直し伝票には”襟腰やぶれ補修”としか書かなかったんです。
そうこうする間に問い合わせの連絡もなく本日出来上がってきました。
付いていたメモがコレ。
転回?
以前に工房にお邪魔したときに古宇田社長がおっしゃっていたのがこの方法。
一回羽根衿を外して裏返して付け直すという…。
もちろん破れた個所は丁寧にタタキミシンで補修されています。
単純に襟をはずして付け直すだけでなく襟腰の折り曲げる分を控える(裏側に谷状におれる下の生地と表側に山上に折れ曲がる上の生地では当然厚み分生地幅が違う)作業も完璧に行われています。
白だったものがくすんだ感じ以外はもはや新品のよう💕
また擦り切れるまで着てあげたいと思う仕上がり。
コーダさん今回も有難う御座います。