癌で入退院を繰り返していた父親が亡くなった。
人生100年時代と言われる今、74歳でこの世を去ってしまうのは早過ぎる。タバコとお酒が好きだったけれど、
大病もなく、健康体だった。そこに医者きらいも重なり、発見が遅くなってしまった。
ステージ4という癌と抗がん剤の副作用が人間を破壊していく怖さを初めて思い知った。
唯一の救いは、闘病中でも元気だった父親と温泉に行ったり、ランチに行けたこと。2度目の帰国中に最期を看取れた
こと。最期の瞬間はあっという間で間に合わなかったけれど、死を迎える前にきちんと顔を見れて、言葉にならなくてもちゃんと意思疎通ができたことは本当によかった。
大変なのは、そのあと。遠方から家族が集まり、お通夜、火葬、葬儀、その他いろいろが続き、途方に暮れる暇もない。100万単位で掛かる葬儀代、疎遠になって顔すら分からない親戚、お墓問題、土地問題、気にしなくていいことばかり
気にしまくる母親、老化よりキテレツ具合の方が心配。
高齢者だらけの近隣、結婚して子供を立派に育てたことがイチバンの正義。その裏にある家庭の問題には目を向けない。海外で何をやっていようが興味なし。理解できないというべきか。私が日本に帰らない理由のひとつかもしれない。
でも、ベルリンは現実逃避に最適な場所であって、一生住むところではないと思っている。
父のことだけでなく、自分の様々な現実や問題を突き付けられた2023年の始まりは、もう何度目か分からない人生の
転機なのだと思う。ベルリンへ戻ったら面倒な事務作業を終わらせ、8月にはショートだけどバルセロナへ行き、
9月以降は一旦諦めたマラガに行こうと思う。2度の帰国で散財してるから仕事以外で海外には行けないし、
1ユーロ157円って狂気の沙汰。元女優でフリーダムな大家さんはまた、ボリビアとメキシコに旅立つと思うと言って
いた。浮遊するように世界を旅しながら暮らすことにも憧れる。海外にばかり目を向けていたから日本の知らない土地で新しいことを始めるのもいいなと思う。
父親の趣味も旅だったけれど、いつまで経っても制限が緩和されない日本から出ることができないまま、いなくなって
しまった。それだけが本当に無念だったと思う。
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