ベルリンに移住してきてすぐのことだったと思う。Ostkreuz駅からすぐのローカルクラブ
「://about blank」のガーデン、日曜の夜10時を過ぎた頃に私は歓喜に満ちて泣いていた。
隣にはその日に仲良くなったばかりのツーリストの女の子。沸き起こる歓声と合唱と拍手の中で
プレイをしていたのはMove DことDavid Moufang。
Andrew Weatherallと同じく、永遠に愛してやまないDJの1人だ。
これまでの人生で、こういったmomentに出会すことが幾度とあった。フジロックでの
The Chemical Brothers、Sigur Rósを初めて聴いた時、360度同じ音質で聴けるConcertgebouw
でのオーケストラ、DEKMANTELでのFourTet、書き切れないほど。
要するに、そこにはいつも音楽があって、音楽が私の人生の一部になっているということだ。
音楽だからと言って、どんなジャンルでもいいわけではけっしてない。国家も演歌も、アイドルも
アニソンもゲームも、ビジュアルもハードコアも全く好きじゃないし、理解できない。
東京オリンピックで起用された楽曲たちが今の日本を象徴しているとしたらものすごく残念に思う。
愛してやまないダンスミュージックに溢れているはずのベルリンでさえ、最近は感動momentが
薄れてしまって、本当なら踊れるだけで幸せなはずなのに愚痴ばかり出てきてしまう。
パンデミックは私の心をぶっ壊し、些細な幸せに感動できるスイッチを奪っていったのだと思う。
それでも未来に絶望しているわけではない。
人生初のロックダウンは、暗くて、寒くて、孤独だったけれど、珍しく連日降り続いた雪が
作り上げた白い世界は、静寂で、無垢で、美しかった。
いろんなことを冷静に見つめて、考えるための必要な時間だったのだと思う。
30代はまだ夢を見ていられる世代なのか、40代で何かを成し遂げれていなかったら、もうそこまでなのか、人生100年だとしたら一体いつ自分の夢は叶い、自分に満足できるようになるのか。
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