終戦記念日の今日、満月が現れる前の空は藍色に深く染まり、その中をピカピカ発光しながら飛行機が飛んでゆく。UFOだったらいいなあ。。流れ星よりぶっ飛んだご利益がもらえそう。
同性から口説かれるのが日常的で、週末のパーティーは月曜日までぶっ通し、どんなクレイジーな格好をしていても
誰も気に留めないこの街は、たとえ、UFOから誰かが降りてきたとしても”Hello”と普通に挨拶をするんだろう。
すでに日が短くなって、夏とは言えない気温になったけれど、毎年ベルリンの”夏の風物詩”と呼ばれる“Berlin Atonal”が
最終ラインナップを発表した。Atonalとは、実験音楽の祭典であり、映像、アートインスタレーションと共に
エクスペリメンタルミュージックにとことん寄り添った(良い意味での)”変態的エレクトロニックミュージックの
祭典”である。
正直なところ、ビートやメロディーのない音楽を前にするとどうしていいか分からず、手持ち無沙汰になってしまう。
だから、ビートが鳴り出すTresorやOHMの”ダンス枠”の方が好みなのだけど、メイン会場となっている
”Kraftwerk Berlin”を観るだけでもこのフェスに参加する意味があると言える。
過去にもいろいろ記事にしてきたし、他にも数え切れないほど記事になっているため詳細は省くけれど、東ドイツ時代の火力発電所跡地を改装したイベントスペースで、これほどかっこいいインダストリアルは他にないと断言出来るほど。
何かと話題のロンドンの元印刷所”Printworks”が近い雰囲気に見えるけれど、89年に設立されており、60年代の
Kraftwerkとは歴史からして違うのだ。
剥き出しの鉄筋コンクリートで出来た吹き抜けの3階建て、壁一面に映し出される映像と会場内に反射する音に
圧倒される。全身真っ黒の洋服に身を包み、ニコリともしないミニマルとインテリジェンスを装った
オーディエンスたちの異様な空気感も同フェス名物の一つ。まるで、モノクロームの映画の中にリアルタイムで
存在しているような錯覚に陥る。今年は真っ赤なドレスで参戦してみようか。。。?
ラインナップは上記の通り。
是非とも拡大して見て欲しいが、WP=ワールドプレミアだらけなのが分かるだろうか。
Atonalの最大の魅力は、アーティスト自身も”実験”を披露すること。他では絶対にないソロ同士の共演、普段とは異なるジャンルやパフォーマンス、芸術家によるライブパフォーマンス、音楽家によるアートパフォーマンスなど、
Atonalでしか観れない貴重なステージが多数あるのだ。
個人的に気になっているのは、Function、Silent Servant、Stanislav Glazov.によるオーディオビジュアルライブ、
現代アートの世界でも活躍するFélicia Atkinson、Grouperとしても知られるLiz HarrisのソロプロジェクトNivhek、
日本人ではChee Shimizuが是非とも観たいところ。
全日程は難しいけれど、可能な限り参加して、現地レポートをまたどこかの媒体でお届けしたいと思う。
Thanks always, Nicolina!!