いらなくなったモノを指定の場所やエントランス前に置いて、突如”ご自由にお持ち下さい”コーナーが出来上がる。
これは、ベルリンの日常。
数日前、アパートメントのゴミ置場で、椅子の上に置かれた箱に入った大量のマニキュアを発見した。ドラッグストアにある格安のブランドばかりだったけれど、まだまだ使えるキレイな状態のものばかりで、未使用に近いものもあった。
その中から好きな色だけ選んで部屋に持ち帰り、レッド、パープル、オレンジ、グリーン、ネイビーと、5色違う色を
5本の指それぞれに塗った。
”もう取りに来ることさえない別れた彼女が置いていったモノ”
捨てられてしまった経緯を考えながら、そんなことを思った。
時々、無性に全てのモノを変えたくなることがある。
それは、クローゼットの中身だったり、食生活だったり、メイクや髪型だったり、仕事だったり、人間関係だったり、自分の思考そのものだったり、人生そのものだったり。それは、時に破壊を呼び起こす。大切にしてきたはずのモノさえ
自分でもよく分からない衝動に駆られて壊してしまう時がある。目の前に靄が掛かったらとにかくそれを消し去りたく
なってしまうのだ。
私はつくづく激情型で、劇場型なのだと思う。(昭和のオヤジギャグ風?)
ヒンドゥー教の最高神の一人に「破壊」と「再生」を司る”シヴァ”という神がいるのを知ってるだろうか。
シヴァが象徴しているように「破壊」と「再生」は表裏一体なのだと思う。それなら、何度でも壊して、再生して
を繰り返しているうちに、いずれ本当の答えが分かるのかもしれない。
映画『ベルリン・天使の詩』で有名な戦勝記念塔。ドイツ語でSiegessäule(ジーゲスゾイレ)
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映画と言えば、最近やたらと『バグダッド・カフェ』が観たい。砂漠が舞台ですが、87年に西ドイツで制作された作品で役者だけでなく、いろんな部分でドイツ感を味わえる映画です。何より、ジェヴェッタ・スティールが歌うこの歌が
あってこそ作品の良さが引き立つのですが。