BLOG - 小牟田 亮(OWL)

プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル。


観ましたか、みなさん。僕は観ました。途中何度も唸りました。そして胸焼けがしました。

作品を生み出すということは命を削るということ。そんな風に言えるクリエイターがどれだけいるのでしょうか。自分はクリエイターではなく、クリエイションをしているひとたちの力を借りて何かを形づくることを生業としています。そんなわけで、0から1を産み出すことはないのですが、それでもいわゆる産みの苦しみのようなものにぶち当たることがあります。ですが、この番組を観たあとでは口をつぐむしかありません。世界が違いすぎます。『呪術廻戦』風に言えば、魂の格が違います。

自分はメディア業に従事しています。媒介物というような意味を持つメディアですが、それにもいろいろな形があります。自分がやりたいことそのものを発出しているメディアもあるでしょうし、何かを誰かに伝えるための中間的なポジションに徹しているメディアもあります。フイナムはそのどちらの側面もあるのですが、乱暴にまとめれば、見たひとになんらかの気づきを与えることを役割としていると思っています。目線はあくまでも見ているひとと一緒です。ここの謙虚さを見失うと、これからのメディアはうまくいかないと思います。

このドキュメンタリーを観た後に思った感想としては、自分はこのような“作品”を産み出すことはできないけれど、こういうドキュメンタリーに携わってみたいな、ということでした。庵野秀明氏には足掛け4年密着したようで、そんな規模感ではもちろんできませんが。。まずはYoutubeでできることを探ってみたいと思います。

この番組、現時点で再放送の予定はないそうですが、「NHK+」で配信中です。

以下、番組内で庵野氏が発した言葉で、思わずメモしたものです。こうして切り出してしまうと意味がよくわかりませんが、備忘録としてここに残しておきます。

 
自分で最初からやると
自分で全部やった方が良くなっちゃう
それ以上のものは出てこない
 
自分の外にあるもので表現がしたい
それは肥大化したエゴに対するアンチテーゼかもしれない
 
一種の開き直りに近い、これでいいっていうそういう思い切りがないと面白くならない

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