暮れに小さい私的な写真集を作りました。

 

 

 

 

3年ほど前に亡くなった祖父がまだ健在だった頃に引き継いだ古いカメラをこの数年、さまざまな場面で持ち歩いていました。惜しむことなくシャッターを切りまくり、フィルム何本分かわからないけど、大きい箱いっぱいにネガがたまりました(フィルムも最近高いから、総額いくら費やしたか計算するのも恐ろしい)。

 

撮っていたものといえば、彼が立ち会うはずだった行事や目の当たりにするはずだった家族の出来事、その他日常生活、仕事の案件が少し、そして一番多かったのが旅先の風景です。
祖父は旅好きだったそうですが、自分が生まれる前後に病を患い、あまり出歩かなくなっていました。なのでその後二十数年間の彼との思い出は、祖父の家の定位置だった椅子の周辺でのものがほとんど。引き継いだカメラを旅先で使うことで、一緒に旅をするまではいかなくても、旅の報告くらいにはなるかなと思っていました。

 

祖父のカメラを持ち歩き、いろいろなものを撮ることはこの何年かのうちにすっかり自分の趣味となり、生活に溶け込んでいました。自分と会う人の多くは、このカメラも見たことあると思います。
そんなカメラにもさすがにくたびれた気配が漂い始め(最初からすっかり骨董品の雰囲気ではあったのだけど)、ちょうど結婚式や久しぶりの海外の写真も収めることができたタイミングでもあったので、ここらで一度まとめてみるかということで作ったのがこの冊子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和綴じはずっと何かの制作案件で取り入れてみたかったけれどもタイミングがなく。
が、この本はせっかくなので健在の祖母に進呈するもの。華道や茶道の造詣が深く、美大卒で長くデザイン関係の仕事に携わっていた祖母の蔵書に加えてもらうのにはまさにうってつけの仕様だと思い、採用。和綴じ屋さんにいろいろ教えていただいて、綺麗に仕上げていただきました。
最後のページにはたぶんカメラをもらった日に試し撮りをした、在りし日の祖父と祖父が拾ってきた愛猫のピントぼけぼけの写真を配置して、スーパー私的なとても思い入れのあるものになりました。作ってよかった

 

コスト的に数冊しか作れなかったのと内容が上述のとおりスーパー私的なので発表したり展示や販売のつもりのものではないです。
なので本来この欄で紹介するものでもないのですが、なんとなく年始っぽいので24年最初のポストで書かせていただきました。

 

 

 

 

年が明けてにわかに仕事が増え、慌ただしく始動しております。
これまで通りの感じの仕事もさせていただきつつ、一方で未知の領域や慣れないポジションに身を置いてノックを受ける時間も何割かセットしつつ、引き続き裏で慎ましくやらせていただければと思いますので今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

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