まずは純粋におめでとう!しかございません。
もともとボクシングをはじめ格闘技は全般に好きですが、昨夜ほどワクワクした試合はこれまで経験したことがありません。”モンスター”井上尚弥vs”レジェンド”ノニト・ドネアの歴史的一戦。しかもWBSS(各プロ団体から真のチャンピオンを決めようと始まった初の統一リーグ戦)の決勝。ほんとにスケジュールに書き込んだくらいです。
いやあ、井上尚弥…強い。子どもの頃から見てきたどんなボクサーより桁外れに強い。こんな選手見たことがない。バンタム級世界最強。ついに世界が注目する日本人ボクサーが現れたかという感じです。
ただボクシングってやはり他のスポーツや格闘技にくらべ、華がないというか日本ではマニアックな雰囲気。しかしこれほどピュアでストイックなスポーツもほかにないと思うのです。
拳ふたつでただ殴りあうんですよ? 狙う部分は顔面とボディのみ。井上のようなパンチがなければほぼ一発で相手をダウンさせることは無く、だいたい3分12Rコツコツ打ち合う。ふつう嫌です。辛すぎます。
総合格闘技のように関節キメられ痛くてタップアウト(ギプアップ)もできず、キックボクシングみたいにこめかみに膝蹴り食らって意識を飛ばすこともない。でもギプアップしたり気絶できたほうが、ほんとは楽だし選手生命も現実の命も長くいられるはずじゃないですか。
なのでこれほど危険でばかばかしいスポーツも他にないと思います。
人間の脳みそって一撃のダメージもまずいだろうけど、長期にわたるコツコツダメージがほんとにまずくて間違いなくパンチドランカーです。ずっと酔っ払ってるような状態らしく、テレビで見る歴代レジェンドだいたい呂律まわってないですよね?
ひょっとして酔っ払ってて気持ちいいのかもしれないけど、嫌でしょう。長い人生考えたら。
さらに日本チャンプくらいじゃ居酒屋でアルバイト。世界ランク1位でもバイト。世界チャンピオンを奪取して、所属ジムが興行権を得て、防衛戦ではじめてビッグマネーを手にできる。くらいスーパーひと握りの世界。(できれば自分の子どもにやらせたくないスポーツ第一位)
それでも、ボクシングに賭ける。まじで命捧げるんですから。すごいですよ、ほんとに。