BLOG - 横町健(anea cafe / BOTANIZE ディレクター)

“Gracilius欲”

Pachypodium Graciliusの話しです

パキポ ディウム グラキリスの話しですよ

僕がハマり、お店まで作った塊根植物のパキポ ディウム グラキリスです

そろそろこの呪文も覚えられたのでは

グラキリスはマダガスカルに自生しています

成長スピードは植物界のなかでは塊根植物は遅い方です

極めてゆっくり、年間に数ミリから数センチといったところでしょう

乾燥地帯の過酷な環境下で自生しているのでしばらく水がなくとも生き延びられるように株に水分を蓄えられます

このジャンルの植物を収集して、育成している者ならば誰しもが欲しがり、一度は手にし通るのがグラキリス

同じグラキリスでもその“枝振り”“肌質”“株の丸み”など二つとして同じものは無い唯一無二

この唯一無二感がまたマニア心をくすぐるのです

最初に先ず欲しくなるのは所謂正統派

いかに丸く、枝が短く、バランスの良い株

次に欲しくなるのが天辺が扁平で枝同士の間隔の開いた蟹の様な形のカニキリス

次辺りで、マダガスカルの現地で育ち日本に輸入されて来た“現地球”と国内で種から育った“国内実生”の二つに好き嫌いが分かれてきます

現地球好きは大きな株に手を出したくなってきます

実生組はいかに丸く短枝、緑肌、刺残り、これを突き詰めていきます

この辺である程度グラキリスを極めたグラマスター達は次の段階へ行きます、イキます、逝きます

綴化(テッカ、セッカ)、モンスト、所謂成長点異常の奇形ですね

ここまで来るともう変態です

価格も数万円から数十万円と跳ね上がってきます

大抵のこの変態達は、奥様や彼女に内緒でこの変態植物を購入しています

まあ言えないでしょう

バレた日にゃ「この安月給がっ!植物に数十万⁈ふざけんな!寿司でも連れてけや」となりますからね

高い植物を買ったらそっとバレずにコレクションに紛れこませて眺めながらニタニタしてくださいね、この変態野郎が

といった感じのとても健全な趣味なのですよ、塊根植物

お待ちしております、こちら側で

愛すべき変態植物収集家達と共に

 

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