雑誌GO OUTでなんと10年も続けたという、岡部文彦くんの連載SOTOKEN。それの最終回というので読んでみようかと。
うん、いいじゃないですか。いよいよマジな山暮らし始めたみたいで雑誌やスタイリストともオサラバって思い切った行動。是非、夢である山のスタイリングにチャレンジしてほしい。
岡部くんにはぼくの仕事も手伝ってもらったし、知り合いの庭師を紹介したこともある。
たぶんはじめて目の当たりにしたぼくらの木を切ったりって仕事を、きっとその向こうにある、山暮らしや林業の前哨戦みたいな感じで見ていたんじゃないかな。
ある時、岡部くんに「シガくんならアーボリストできるよ、やればいいのに」と言われたのを覚えている。
あーぼりすと?なんじゃそりゃ? ああ、空師のことね。。みたいな。
ぼくらの世界では20メートル級の高い木に登って伐採したりするひとを空師と呼ぶ。庭師とはちょっと違う、また特殊な分野である。
「うん、できるよ。でも興味ないかな笑」
たしかに庭にも大きくなりすぎて、ご神木みたいになっちゃった馬鹿でかい木を切り倒すこともある。べつに空師じゃなくともそれをやれるスキルは修行時代に身についてしまった。
ただ、庭師がそれをするには所作がある。お清めの塩をふって、清酒を浴びせて、いまからお命頂戴いたします…と念じる。樹木にたいしての敬意と畏怖のようなものだ。好きこのんではやらない。
あとはぼく元来のやんちゃな側面があるので、たまに高いところに登ったりが好きなだけ。「よっしゃ今日はいっちょやったるで〜」みたいなパルクールする感覚と同じである。それを日々の生業にしたいわけじゃない。笑
ぼくの中で庭師、庭や空間を造ることは完全にアート、創作活動である。しかもココ、東京という都会のなかにこそ意義があると考えている。山の中じゃない。ぼくはね。
岡部くんはやっぱり山なんだろう。岩手県という故郷でもあるし。
いろんなひとが、いろんな方法で、いろんな生き方でいいと思う。
人生って自由なんだから。卒業おめでとう。