昨夜、なんとなくネット検索していたら、偶然こんな記事を見つけました。
一年くらい前の記事でしょうか。元事務所の先輩、坂井さん。インスタに書いたとおりファッションインタビューで地下足袋を語る姿に思わず笑ってしまう。
で、長くなりそうと書いたので、こちらで続き。
そう、ナイキのエアマックスみたいな懐かしい感じの透明エアソールを搭載した地下足袋。
じつは職人業界ではネタとしては新しくはないんですね。修行時代にはすでに年配の先輩職人さんも履いておりました。
ただそれを何処で見つけたのか、あの坂井さんが? てのが個人的にめちゃくちゃツボ。
さらに自分でソールをオールブラックにカスタムし、あくまでモードに履くってところ。あいかわらず洒落てますね、と。
で、そのオールブラックな地下足袋のことをすこし蘊蓄垂れさせて頂きたく候。
まずぼくら庭師は藍染めされた、紺(ネイビー)足袋しか履きません。足袋に限らず乗馬ズボンも脚絆も、身に纏うものすべて紺色が基本。
たとえばサッカー代表のユニフォームのベースカラーがネイビーなよう、それが日本の伝統色だから、とか、清潔感や清涼感がある、てのもあるでしょう。
あとは実感として土汚れが目立たない。というか気にならない。同じダーク色でもブラックでは気になるから不思議ですよね。
以上のような理由で庭師のカラーはネイビー。より濃紺。
そういうスタイルからかカラーにまでこだわった職種って他だとあまり思いつきません。
なので、坂井さんが推すオールブラックな足袋、というのも庭師業界からするとアウトなんです。本来は。
新人のころとか、よくやってしまいがちな黒い足袋を買ってくる。すると年配の職人さんは「おまえドカタかよ」と揶揄する。
ドカタってもう差別用語ですけど、つまり土木作業員のこと。そういうひとを指して「黒い足袋」は「ドカタ足袋」と笑われます。まあ現代社会では叱られると思いますが、つまりそういうこと。
同じく土木作業員の履くド派手カラーのニッカポッカズボンなども庭師業界では無し中のナシ、です。
ただですね、自分もセオリー通りなスタイルから外れてますし、オールドスクールな庭師スタイルというものをリスペクトしつつ、好きなカッコでやってます。黒い服も着るし、足袋も黒でいいし、なんなら足袋ですらないですし。
でも「知ったうえで」と「知らないで」ってまったく意味が違いますよね。「知らない」って馬鹿っぽいけど、「知ったうえで」ってパンクだし、IQ高そうでしょう?笑
てことで私的にはオールブラック足袋は有り。結果的に。笑笑
もう先週になりますか。元N°44バイヤー現スタイリスト、ファッションディレクターの竹中くんの誘いで松岡正剛オフィス・編集工学研究所で開催された、加納節雄氏のアートコレクト展へ。
会場びっしりの江戸の掛け軸、浮き世絵。主に川鍋暁斎。なかなかいいものを拝見しました。
松岡氏、加納氏のトークショー、江戸とは、アートとは、なんて話も大変興味深く、ウンウンと頷きポイントが多々。
竹中くんも久しぶりでしたね。