「POLARTEC®︎」の魅力（「Power Stretch Pro」編）

MOUNTAIN MARTIAL ARTSは2017年からPOLARTEC®︎社の生地を使用している。POLARTEC®︎はアウトドアシーンで高い信頼を得ているファブリックメーカーで、アウトドア愛好家には広く知られている。そうでなくても「名前は聞いたことがある」という方もいるだろう。

POLARTEC®︎の名を広めたのが、冬に着る素材として一般化している「フリース」。実はフリースの生みの親はPOLARTEC®︎の前身であるMalden Mills社で、POLARTEC®︎こそ「元祖フリース」なのだ。1980年代にPatagoniaがPOLARTEC®︎のフリースを採用して機能性の高さと知名度が広まった。

ぼくがPOLARTEC®︎を意識したのは、トレイルランニングを始めてからだった。ロングトレイルランニングレースの規定に必携品があり、そのひとつに「保温のためのフリースなどの長袖シャツ（綿素材は認められません）。」という項目が含まれていた。そこで購入したのがPatagoniaのPOLARTEC®︎プロダクト。

嵩張らず、軽量で保温性も高く、通気性と速乾性を持つなんて魔法のような素材。長年培われた経験から生まれたであろう生地は唯一無二の存在で、MMAでもいつか扱いたいと思った。その願いが叶い、POLARTEC®︎ファブリックを使用できるようになった。

これまで何種類かの生地を使用したが、どれも個性的かつ機能性は充分。中でも冬場のお気に入りは「Power Stretch Pro」。

技術的な説明としては

「POLARTEC®︎ Power Stretch Proは、激しいアクティビティに求められる動作のニーズに応える4方向ストレッチ。しなやかな二重構造のファブリックは発汗による水分を吸収しながら、外側へ拡散させて素早く蒸発させる。表側はスムーズな表面で摩擦抵抗が少なく、レイヤリングしやすい。」

といった感じだが、簡単にいえば「ストレッチする生地は着心地が最高で、さらに暖かく、軽量で、乾きも速い」ということだ。

POLARTEC®︎ファブリックを着用していつも思うのは、「アクティビティシーンだけに限定するのはもったいない」ということ。つまり、デイリーユースにも使いたい。

上記のようにPower Stretch Proは二重構造で、表面は弱光沢のあるスウェットのようなしっかりとした素材感で、内側はとてもとてもとても肌触りのよいフリース状。見た目は「いかにもアウトドア！」「オラオラ機能系！」感が強く出ているわけではなく、着心地のよさやメンテナンス性の高さを考えれば、デイリーユースでも充分以上にニーズに応えてくれる。

おそらくPOLARTEC®︎もアウトドアシーン以外のニーズは考えているようで、国内外のファッションブランドやストリートブランドがPOLARTEC®︎ファブリックを使っているのをしばしば見かける。ただアウトドアシーンとデイリーユースを兼用できるPOLARTEC®︎プロダクトをリリースしているブランドは少ない。