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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

リモワ LOVER

 ソーシャルメディアを利用していると、いろんな広告が流れてくる。だいたいが自分が検索したワードやページに関連するもの、そしてそれらにつながる商品やサービスのものがほとんど。しかし中には背筋をゾワッとさせる広告もある。それまで一切、検索などのアクションは起こしてないのに、誰かと会話したことに関連する広告だ。まるでスマホが話を盗み聞きして、広告を流しているみたいな。偶然のことなのかもしれないが、少なくない人が同じような経験をしているというから、何か関係はあるのかもしれない。なんせ、そこらじゅうにスマートスピーカーなどがあり、「ヘイ、グーグル」とか「アレクサ!」などという言葉に反応するからだ。スマホにそんな機能があっても不思議ではない。

 そんなソーシャルメディア広告で最近目立つのが、<リモワ>の古いスーツケースを店頭に持っていくと4万円のバウチャーと交換してくれるキャンペーン、新しいモデルを買う補助に使えるという。問い合わせたところ、キャスターがついているモデルならなんでもいいらしい。

 30年以上前、出張で先輩スタイリストが使っている<リモワ>アルミトランクを初めて見た。それまでアルミトランクといえばアポロ計画で月の石を運んできたという<ゼロハリバートン>一強時代。バブル華やかりしき頃、売れてるカメラマンはこのゼロハリをつかっていたものだ。

 そこへいきなり頼りないペラペラのアルミトランクである。むしろ新鮮というか、もうこれしかないとすぐにマネして買った。

 それからというもの、海外旅行にはずっとこのトランクを使っている。

 1989年、初めて訪れたミラノの<プラダ>で取っ手が黒い<リモワ>が売っていて、買ったタイミングが早かったと後悔したのもいい思い出だ。

 昨日、地下の倉庫からビンテージとも言っていい、<リモワ>を引っ張り出してきた。結構やれてはいるものの、なかなか味わい深いことになっている。

 家人はこれの方が新品よりかっこいいからバウチャー貰わず、このまま使えばいいという。確かにそうかもしれない。

 ただね、キャスターが調子よくないのだよ。どうやらあちこちぶつけて(主に空港職員の責ですが)ボディが歪み、直進しないのだ。

 修理するか、それとも新しいものに入れ替え快適性を取るか。

 大体自分の持ち物って、すべてこの判断を間違えて利便性を犠牲にしている。クルマとか特にそう。

 しかしどうして<リモワ>の広告が流れてきたのか。コロナが落ち着き、旅行に行きたいとしょっちゅう言っているからなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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