先日ビンテージのミリタリーパンツのことをブログに書きましたが、今日はビンテージクロージングについてです。「Scye」や「Old Joe」の服もデザイナーの方のクリエイティビティーや世界観が感じられて非常に好きなのですが、ビンテージの服にはまた別の魅力があります。年月を経た生地の風合い、今の服とは違うディテール、柄、フォルムなどに、ビンテージならではの魅力を感じることが多々あります。またその気に入った仕様のビンテージが、たまたま自分にピッタリの大きさで見つかると感動に近いものがありますね!
自分が愛用しているビンテージの中から特に気に入っているアイテムをご紹介します。
1960年代初頭の米国、IVY LEAGUEの大学に通う学生たちのスタイルを日本に紹介したアイビー黎明期の名書「TAKE IVY」がありますが、この本が伝える当時のアメリカの雰囲気がとても好きです。私自身1960年代後半から数年、父の転勤でNYに移り住み、当時の空気や感性を肌で感じていましたが、昔の写真を見ると夢の様な光景の中に自分がいました。
そんな時代のアメリカのIVYらしい、1960年代くらいのスタジャンがこれ。スナップボタンではなく掛けボタンで袖口や腰回りはキュッと絞ってありますが、袖や胴回りはゆったりしていてとても好きなスタイルです。生地は一見メルトンの様に見えますが、実はもっと柔らかい素材で非常に楽チンです。パンツは先日も紹介した同じく1960年代くらいのデンマーク軍のミリタリーパンツです。もう50年ほど前に作られたパンツですが、とにかくこれは生地感が素晴らしい!
レターやワッペンが付けてあるスタジャンも多いですが、このようにシンプルな方が個人的には好みです。
メガネも同時代の「アメリカンオプティカル」社、ビンテージのブロウタイプを合わせてみました。
ビンテージのスタジャンとビンテージの眼鏡で、今の時代にも良い雰囲気の新しいIVYスタイルにしてみました!
上から羽織ったコートは警備か警察で使われていたと思われるもので、危険な作業をする場合にはオレンジ側を表にして着ていたようです。
コートとスタジャンは、どちらも高円寺の「ROSCOE」さんで見つけました。オーナーの多田さんの品揃えはとっても良いです! お店に行ってみると欲しいアイテムがたくさんあります。
もう一つはスーツとチェスターフィールドコートのブリティッシュなジェンツスタイル。こう言った1940年代〜50年代くらいのスタイルも非常に好きなのですが、ビンテージものは生地感やスタイルなど本物ならではのオーラがあります。
スーツは1940年代のテーラーが作ったもの。パンツの丈が少し短かかったのですが、ウエストは大きかったのでサスペンダーで下げ目に穿けば全く問題なしでした。チョークストライプが40’sらしいスーツで、大きめのラペルもビンテージのスーツならではです。太めのバギーパンツも良い感じ!
合わせたトリコロールカラーのストールは「ROSCOE」の多田さんがアメリカで箱入りの状態で買い付けたもの。「Aldens」と言うメンズショップで1960年代くらいに扱っていたものです。
合わせた丸メガネは「Lesca Lunetier」の「BURT」です。
チェスターフィールドコートも同年代の英国もの。やはりラペルが大きめで、ウエストがキュッと絞り込んであります。このコートで一番好きなディテールはバックベルト。昔のNYやロンドンを舞台にした映画で、よくこのようなスタイルのコートを羽織っているのを見ますが、私の好きなスタイルです。このチェスターフィールドコート、奇跡のスタイルとサイズで、自分のためにあつらえたかの様にピッタリなんです。
スーツとチェスターコートとも、英国ビンテージの名店「David’s Clothing」で見つけました。
合わせたメガネは1960年ぐらいに作られた「ボシュロム社」製の「VIP Safety」です。
もう一つとても気に入っているビンテージのコートは1980年代の「バーバリー」製の「Trench 21」。しかも、このネイビーは極めて珍しいタイプだそうです。シルエット、デザイン、温かさすべて抜群によく、高密度のコットンは雨も弾いてくれます。なかなか見つかりにくい希少なコートが自分にピッタリのサイズで手に入ったので、ずっと大切に着ていきたいと思っています。
襟元まで回り込んだ暖かいウールのライニングが特徴的です。
合わせたメガネは「Lesca Lunetier」の最新モデル「Yves」。
ミリタリーパンツのブログでも紹介しましたが、「Vinson House」を運営され、「グローブスペックス渋谷店」のすぐ近くにある名店「Illminate」のバイヤーを務める雨宮さんが買い付け、私の元にやってきました!
今作っているものではないので、デザインとサイズがピッタリのビンテージに巡り会えたら、一期一会の「モノ」との出会いですね! またリスペクトし、信頼できるバイヤーのいるお店では、その「モノ」に関してのいろんな興味深い話も聞くことができ、ますます自分のところにきたビンテージに愛着が湧きます。
大好きな行きつけのお店で手に入れたものをご紹介しましたが、名バイヤーの皆さん、これからも長く愛用できるビンテージのバイイング楽しみにしています!