今はパリのdoublet SS27 ランウェイショーの会場にいます。
毎回恒例となったショー開始前のブログ更新。
今日を落ち着いた気持ちで迎えられたことは関わってくれた方々のおかげでしかない。
皆で最高なショーを作り上げます。
今回のコレクション制作を進めるにあたり、きっかけとなったのはあるスタートアップ企業との話。
大企業が何社も億単位で支援をしていたその企業ですら、今後の継続に不安があった時期のお話を聞いて、これからの未来を見据えて新素材を人生をかけて、考えて、努力して、必死に開発と向き合っているのに、それでも届かない現実がある。
なぜなんだろうと考えた。
そんな時にたまたま読んだ中古車会社のバディカの中野優作さんの「クラクションを鳴らせ」という本。
「クルマを売ろうとせずに、クルマのある生活を売る」って言葉がとてもいいなって思った。
車の性能や見た目デザインの良さを薦めるのではなく、例えば足の悪い両親がいたら乗り降りしやすい車で一緒にドライブできる車があるから広がる生活を売る。
そういえば、AppleもPCやiphoneを売っているよりも「新しい視点で世界を見る」という思想を提示しているし、Teslaも電気自動車を売っているというよりも「持続可能なエネルギー社会への移行を加速すること」を目的にしている。
ならば僕らに出来ること。
これまでは新素材に注目して、「こんな素材があるんですよ」っていうことを多くの人に知ってもらえるように、その素材・作っている方の想いからインスピレーションをもらってコレクションに膨らませてきました。
もしかしたらその素材に注目をしてもらえても、「珍しいもの」と見られ、馴染みのないものとして見られてしまうのかもしれない。
だったら、それらの僕たちが今まで使わせてもらっている新素材たちがコットンやウールのように当たり前の日常に馴染んでいることが表現できたら。
コットン50%、ポリエステル30%、ナイロン20%みたいに、バナナ50%、空気30%、漁網20%が当たり前の混率になれたら。
新素材に注目することよりも、新素材のある生活を見せる。
今回はそんな”少し先の未来”の日常の生活をランウェイを通して、伝わることを目指して作り上げたSFコレクションです。
では、行ってきます!
