編集部の須藤です。
趣味や好きなものを聞かれて答えると、「サブカル女子」認定を受けることが多々あります。嬉しい気もするし、ちょっと小馬鹿にされてるような気もするし。まだこの感情に折り合いがついてません。
というのは置いておいて。映画・音楽・アート・ファッション、それぞれそれなりに趣向があって、日々その守備範囲を広げたり絞ったりしているんですが、ひとつ悩みが。お別れする回数が、人一倍多いんです。
前回ブログで書いた、好きだったバンドの解散のみならず、ひと昔前の映画に出ていた俳優が死んだり、行きつけのギャラリーが潰れたり。広くさらっているゆえに、弊害もまた多いんです。だれかを悼んでいるあいだに次の何かが無くなって、の繰り返し。常に悼みモード。先が思いやられます。
もちろんそんなことを思ったのは、最近好きなものがバタバタとドミノ倒しのように消えていったからで、今回はその行き場のない悲しみをここで埋葬しようと思います。お付き合いください。(また長文です)
大林宣彦(映画監督)
大学在学中に自主制作の映画を出品した「東京学生映画祭」で、審査員長を務めていたのが彼でした。これまで数々の名作を手がけ、目にもしてきたはずなのに、拙く荒っぽい学生映画を真摯に見つめてくれたことはいまでも覚えています。そのときは恰幅もよくパワフルに動き回っていたこともあって、その後メディアで徐々にやせ細っていく姿を見て、生まれて初めて人間の“老い”に触れました。彼の作品で言うと『ねらわれた学園』が好み。合掌。
ダニエル・ジョンストン(ミュージシャン/アーティスト)
3年くらい前、銀座のヴァニラ画廊で行われていた日本初の個展に行きました。地下の薄暗いギャラリーで、作品が密やかに整列。軽いタッチ、サイケデリックな色、シニカルなモチーフ…その絶対的世界観に溺れ、小1時間は画廊にいました。そのとき買ったポスターはいまでも自部屋に貼っております。同ギャラリーでは、いま追悼展を開催中とのこと。合掌。
原美術館
学生の頃、足繁く通った美術館のひとつ。1979年に開館、当時では珍しい現代美術を扱う美術館として約40年間ものあいだ、東京のアートシーンを支えてきました。たとえ知らないアーティストであろうが、原美がやるなら面白いはずと、その審美眼みたいなものに勝手に信頼を寄せていました。なかでも、最近のリー・キットやソフィカルの展示はまじでよかった。建物の寂しげな雰囲気と作品が共鳴してる感じがしました。
大崎駅をでて、わりと大きな川を越え、きつ〜い坂を登り、息を切らしながら辿り着く。その長い道のりさえ愛おしく思えます。12月の閉館まであと何回、息を切らせるだろう。合掌。
勝手に追悼して勝手に悲しんで、生きている我々は呑気なもんです。でも追悼するたびに思うのは、生きてるうちに会いたい人と接触しておこうということ。結局、仕事に対する気合いが入っちゃうんですよね。いや~勝手すぎる!でもたぶんいいこと!