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BLOG - フイナム編集部

個人的在宅短編映画祭のススメ。さくっと30分で映画体験しちゃいましょう。

編集の須藤です。

突然ですが、「MyFFF」ってご存知ですか?

マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルの略でして、全世界で実施されるフランス語圏最大のオンライン映画祭です。本来1月16日から1ヶ月間の開催なのですが、「STAY HOME edition」と称し5月25日(月)まで過去作の短編59作品を限定公開しているんです。

このあいだのGWに、その作品を見漁る「個人的在宅短編映画祭」を開催したので、今回はそれについて。

なにが良いって、その短さ! 平均20分くらいで、長くても45分、最短で1分のとかもあります。短いからといって内容が薄いかというと、そんなことはございません。そのショートタイムのなかにロマンが詰まっているのです。

もちろんそれぞれ毛色が違いまして、スナック感覚で軽く観られるのもあれば、幾何学的構図&鮮やかな色彩&シュール、なウェスアンダーソン的なのまで。個人的には、なんてことない日常を描いているけどじわじわ沁みる系が好みでして、なかでも思わず唸ってしまった作品を下記で紹介します。

…これけっこう、まじで、本当におすすめです!

 

『シャス・ロワイヤル』(2018):25分

主人公の女の子を配役した時点でこの映画の成功が決まっていたと思います。それくらい彼女が良い!いまにも発狂しそうなのにころころ笑ったりもする、その成熟していないからこその表情が素晴らしいのです。

 

『沈黙』(2016):29分

1968年の設定ですが、現代にも残る悪しき問題を扱っています。主人公の感情の起伏がささやかに丁寧に描かれていくので、ラストは胸がえぐられるような気持ちに…。鑑賞後は作品が頭にこびりつき、しばらく放心状態になりました。青みがかった画が美しい!

 

『違う世界に』(2012):37分

主人公を取り巻く卑しい環境や息子とのあいまいな関係性が、なんてことないセリフと表情に滲んでいて、その妙にハッとします。長い年月が無残にも人間を変えてしまうのだなと、いろいろと考えさせられる作品です。

 

以上が個人的ベスト3なんですが、以下もおすすめ。ライトなタッチでくすっとできるので、重いテーマの短編つづきで観疲れたときなんかはこれで休憩してください。

 

「靄の向こうに」(2012):15分

サウナという密室で行われる中年ふたりの妄想と疑心、じわじわ笑けてきます。カメラがこれでもかとふたりをいろんな角度から写していて、その画変わりのしなさがむしろテーマと合っていて感心してしまいました。

 

「カウボーイ映画と似て非なるもの」(2012):12分

男子トイレと女子トイレという、独特なふたつの空間が見事に描かれています。トイレでたむろしたあの学生時代をきっと思い出させてくれるはず。結末もなかなか気が効いてます!

 

 

2時間の長編に疲れてきた方、トイレに立って映画を止めるのが嫌な方、忙しくて映画どころじゃないって方、さくっと30分で映画体験しましょう。

※便宜上Youtubeのリンクを貼っていますが、公式サイトで鑑賞すると投票ができるので、そちらもぜひお使いください。

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