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[珍ラルフ探訪紀 第30回]ラルフのチノパン、タグの変遷ほか初期と後期の違いを公開!

ヴィンテージのデニムやミリタリーパンツが高騰する中、そんなアイテムをサンプリングして1967年からモノづくりをしてきたラルフローレンに注目が集まっています。特にオーバーシルエットのトップス人気に引っ張られる形でツータックのチノパン、通称”POLO CHINO(ポロチノ)”に久しぶりにブームがきています。

●ポロチノ生産地の変遷 推移

ツータックチノは90年代前半に最初期のアメリカ生産が終了したのち、

90年代の初期型(メキシコ/マカオ/シンガポール/マレーシア/ドミニカ共和国)

90-00年代の後期型&現行(スリランカ/インド/中国/ベトナム)

と生産地がざっくりいうと変わっていきます。

左が初期型、右が後期型の代表例。

●初期型ならではディテール

1. ボックス型プリントパッチ

ヒップにPOLO CHINOのボックス型プリントパッチがつくタイプは初期型まで。パッチのデザインは90年代にステューシーにもサンプリングされています。

2.パッカリングがでる”ダブルステッチ”

アウトシームがダブルステッチで頑丈に仕上げてあり、サイドにうねるようなパッカリングがでて経年劣化が楽しめる作りになっています。

下が初期型、上が後期型の比較です。

写真右が後期型ですが、アウトシームの処理がシングルステッチに簡略化されているため、うねるようなパッカリングがサイドに残念ながら生まれません。

左の初期型はポケット部分から裾にかけて一直線にダブルステッチで縫製され、美しいパッカリングが生まれています。リーバイスのデニムで言うところの”赤耳”に近い感覚です。

3. フェード

顔料染めと呼ばれる当時ならではの染料、綿糸の質、織り方によって生み出される風合いやフェードはこの時期まで。例えばこちらなどは特に美しくフェードしていますね。

後期型は技術進歩のせいかしっかり染まっているため、フェードがしにくい傾向にあります。

4.タックの深さとワタリの広さ

タックは初期型の2.5cmに対して後期型になる0.5mmほど浅い2.0cmとなり、ワタリも狭くなりシルエットが細いストレートに変化します。

これは2000年代に入り、ルーズからジャストやタイトなシルエットに流行りが変わり、ラルフローレンもそれに合わせたシルエット変更をしたためと推察します。

5.ベルトループが長くて細い

初期型は後期型と比べてベルトループが細く長いです。太いベルトが昔は流行っていたからでしょうか。太く短く後期型は仕様が変更されます。これはオマケに近いお話。

●カッコいいには理由がある

特に1-4の特徴が初期型にはあるため、履いた時になんかカッコいい、シルエットがすごい綺麗だ、と感じるのだと思います。

 細かいディテールや蘊蓄に縛られて、身動きや意思決定ができない不自由な買い物やファッションになるのは個人的には好きではありません。

ただ、なぜこれは良いのか?を比較して発見していく過程そのものには意味があると思い、記事にしました。

80-90年代のラルフローレンは少し前まではいわゆるレギュラー扱いされてきたため、ここまで細かく比較した記事は私は見たことがありませんでした。

空前の古着ブームと円安が重なる中でいわゆる昔からのヴィンテージはスペシャル化し、投資や資産形成の意味すら帯びていく中で、”古い”ラルフローレンに注目が集まってきているのは自然な流れかもしれません。

●本家も復刻し注目が集まる

ボックス型プリントパッチが付く初期型のポロチノは近年復刻もされたり、ビームスが別注したり、2-3万円弱の価格にも関わらず完売する品モデルもでてきています。

●今週土曜にオンラインで発売

上記の魅力を満たすvintage polo(ヴィンテージポロ)のポロチノがまとまってオンラインショップに今週土曜21時に入荷します。

80-90年代の初期型のポロチノで、チノクロス生地のウエストが表記で34インチ以上あるルーズに履けるタイプは特に絶滅危惧種です。

まだあるでしょう、そう思っていたら、どんどん買えなくなっていったヴィンテージを私たちはたくさん見てきています。

映画や音楽のプリントTシャツ、モッズパーカー、リーバイスのUSA製のブラックデニムに、カレッジのリバースウィーブ。。。

ラルフローレンの名作、ポロチノ。シルエットが綺麗な古いタイプをお探しの方はチェックしてみてください。

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