90年代に登場するや爆発的な人気となって広がり、惜しまれつつ数年で消えていった幻の”Big Polo”。
その特徴は通常左胸に入るポニーマークが対角線上の右下に刺繍され、シルエットは身幅広め、裾短めのルーズフィットが特徴。
アメリカ本国のみでの販売だっため、日本で手に入れられたのは、渋谷のファイヤー通りにあった5坪のインポートショップの草分けでもあった”メイドインワールド”などごく一部。
ちなみに”メイドインワールド”は初期はアメリカを中心としたインポートから始まり、国内のドメスティックブランドのカルトなセレクトショップへ変貌を遂げ、初期のグッドイナフや今や高値で取引されることになったフォトTが並んでいた伝説のショップ。(惜しまれつつ2015年閉店)
並行輸入品のため球数が当時からとくかく少なく、定価もポロシャツで1万円代後半、シャツで2万円台と高級品でしたが、洋服好きな人たちが血眼になって探していた記憶があります。
90年代におそらく一番おしゃれな人が集まり、流行の発信源でもあった代々木公園のフリーマーケットでも、”Big Polo”が出品されると取り合いになっていましたし(ライバルには某格闘家もW)、買えた人が嬉しそうに自慢げにその場で着て歩いていたのが懐かしい思い出です。
在宅勤務やオンライン授業などが増える中、”襟のない服”を着る生活に僕らは慣れてしまった気がしますが、今はなんとなくシャツを着たい気分ではないでしょうか。
きちんと見えて、少し大人っぽくなれる魔法がシャツにはあるからかもしれません。大人が着たとしても、まだ若かったときにちょっと背伸びして着たシャツの記憶が蘇るのです。
ヴィンテージTシャツ専門店であり、東京っ子の”anytee”がシャツの特集をするなら、
”Big Polo”以外は考えられませんでした。
ラルフローレンがブームですが、
自宅で気軽に洗えないシルク素材や日本でも大量に流通してきた開襟シャツではなく、
洗っていく中で風合いがまし、愛着がわき、かつ、アメリカでしか販売されず限られた人しか手に入れることができなかったこのアイテムを。
たぶん最初で最後の特集。
90年代の香りがたっぷり詰まった”Big Polo”を当時の東京の思い出ととともに。
週末にかけてanyteeのインスタグラムでご紹介していきながら、土曜の21時からオンラインショップで発売です。
インスタライブでも詳細を解説しました。
eat the culture…anytee