アメリカの歴史は戦争とともにある。
そう言っても過言ではない中、世界最大級の国防費用をかけてのミリタリーウエアの進化を続けてきました。
ところが、第二次世界大戦後の高度成長の中で民間企業が著しく伸び、アウトドアブランドのプロダクトが軍事のそれのレベルを超え始めていきます。
911を発端するアメリカのアフガニスタン紛争が2001年に開始。
それはヒンドゥークシュ山脈 俗称インド人殺しとも呼ばれる山脈での過酷な環境との戦いでもありました。
その極寒での対策はecwacs (エクワックス)のウエアでのレイアリングシステムでは事足りず、
パタゴニアでアドバイザーをしていた登山家を国防総省に招聘、Protective Combat Uniform(pcu )プロジェクトがスタートします。
当初3社に協力を依頼しますが、アメリカ国内でも生産が条件となるため、アンコントーローラブルになることを気にした2社が辞退、パタゴニアだけが全面協力に応じることに。
こうして開発されたのがMilitary Advanced Regulator System(MARS )です。
民間への販売ではなく極限環境で任務を遂行する特殊部隊向けに納品され、
2000年代以降はアジアを中心とした生産を行う中で、唯一アメリカ国内での生産となります。(理由はお察しの通り)
なお、環境保全を掲げるパタゴニアが軍事に関与していることに矛盾を感じなくはありません。
ただ、アメリカ国民の責務を果たし、また国との太いビジネスが生み出す利益を、アップデートを続けるための研究開発費に投資していけるという意味あるのでしょう。
極限環境を生き抜くためのウエアとしてこうして二者は出会うことに。
“Military meets Outdoor”
ヴィンテージウエアを実際に手に取りながら詳しく動画でもお話してあります。音声だけでも楽しめますのでラジオ代わりにどうぞ。
続きはanyteeのIG-TVにて。