BLOG - 猿渡大輔(グラフィックデザイナー)

BRICKWOOD STORAGE EXHIBITION in Tokyo

 

 

 

 

 

 

沖縄のショップ<BRICKWOOD STORAGE>の展示・販売会が今週の金曜まで渋谷で行われています。

 

琉球藍や絣といった沖縄の要素、それからクラフトマンシップへの敬意が詰まったオリジナルレーベル<LITTLE HENRY’S>の服がメインのラインナップ。
品質表示のタグのところに携わった各工程の団体・職人さんの名前が羅列されていたり、説明してもらっても作り手に関することの割合が多かったり、由縁とか理由とかそういうものがはっきりしていて真っ直ぐ入ってくる感覚のブランドです。
……と言いつつ、自分の乏しいボキャブラリーでこのブランドの良さを正しく鮮明に十分に伝えられるか定かではないので程々にしておき、話は脇道に外れて約10年前に遡ります。

 

当時学生の自分は現NEUTの潤、CATsのゲンキ君とアメリカをさまよう旅行の途中。
ロサンゼルスで開催されていたInspirationに行ったあと、ベンチュラ、サン・ルイス・オビスポ、モロ・ベイ、ビッグサー、サンタクルーズと海岸沿いをレンタカーでひたすら北上。
景色がいいはずの海沿いルートは珍しくずっと嵐の空模様、サンタクルーズでは寝ぼけて車をぶつけたうえにその処理では何の役にも立てず。
トラブル頻発も同行の2人に助けられまくりながら楽しみ、たどり着いたサンフランシスコで無計画な旅を続けていた自分たちを受け入れてくれたのがHandsome Oxfordのマーク、そしてあの街で決して金目のものを見せて歩いてはいけない要注意ストリートを教えてくれたうえにその晩の寝る場所を提供してくれたのがいまBRICKWOOD STORAGEを手がけている仲宗根ブラザーズのトモキ君たちでした。

 

たまたま全員紺色の上着を着て、街を徘徊したり部屋に戻ってお酒を飲んだり犬を愛でたりした夜。
晴れやかながら寒々として、賑わってはいるものの実際その数年後に起きることになる街の衰退の気配があちこちに転がっているような二面性を強く感じるサンフランシスコの風景とともに記憶に残っています。

 

 

 

 

 

 

結局その後オレゴンやニューヨークも経由して財布をすっからかんにしたあの旅はいろんな意味で過負荷で高彩度で学びもたくさん、自戒もたくさん、今に繋がる印象的な経験も満載の忘れがたいものだったわけですが、なかでもあのサンフランシスコの夜、その恩は格別に心に残るものでした。まさに一宿一飯の恩義。

 

10年経っていまこうして東京で会えたのは個人的にも嬉しいことです。
きっと<BRICKWOOD STORAGE>のクリエイションにもあの頃彼らがカリフォルニアで過ごしていた時間が存分に反映されているはずで、そんな気配も感じつつ今回買った希少な琉球藍の羽織を大切にしていきたいと思います。

 

とても個人的な角度で書いてきましたが、普段は沖縄に行かないと出会えないものなので、会期はわずかだけど足を運んでみることをおすすめします。
もちろん、沖縄へ飛んじゃうのもいいと思います。<BRICKWOOD STORAGE>以外におじいさまが沖縄返還の年に始められた飲食店の継承もしているそうなので、彼らの真髄はやっぱり向こうでこそ感じられるのかもしれません。

 

でもまあ、一旦東京で。
会期と場所はこちらです。

 

 

日程: 9月24日(火曜)〜26日(木曜)
場所:Artspace Flag / 東京都渋谷区渋谷3-6-16エメラルド青木ビル202
時間: 11:00 ~ 20:00

日程:9月27日(金曜日)
場所: in the house(ENJOY BEER) / 東京都渋谷区神宮前3-31-20
時間:12:00 ~ 20:00

 

 

この機会に10年前のサンフランシスコの写真をあさっています。とても青い。

 

 

 

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