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パリ滞在記 Extra:不確実な時代のファッションウィーク

編集部の村松です。このブログでパリ滞在記と題して6回に渡ってお届けしたファッションウィークの模様。最後はまとめです。つらつらと書いていたら少し長くなったので、斜め読みくらいがちょうどいいと思います。よろしければ最後までお付き合い下さい。

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成田からドーハ、そしてパリへ。

今回、渡仏に費やした時間は24時間。コロナ禍前は羽田から直行便に乗るが当たり前でしたが、いまは便数が少なく価格も高い。加えてパリのホテル代はいつもの倍以上に。

進む円安の影響もあり、パリはあらゆるものが高く感じました。

そんな状況のなかで開催されたファッションウィークの目玉は〈ルイ・ヴィトン〉でした。

ミュージシャンのファレル・ウィリアムスが手掛ける初のコレクションで、アメリカからジェイ・Zやビヨンセをはじめとする音楽まわりの有名人たちも多く来場。

東京のストリートに並々ならぬ想いがあるファレルならではのカジュアルスタイルを提案するのかと思いきや、披露したのは意外にもテーラーリングが中心のセットアップが多く、ダンディズムを追求したような内容でした。

これは今回発表した他のブランドにもいえることですが、全体的にテーラリングを重視した服が多く、ファッションの流れがクラシックな方向にシフトしていることを感じさせました。

〈ルイ・ヴィトン〉を筆頭に、〈コム デ ギャルソン・オム プリュス〉〈ドリス ヴァン ノッテン〉〈ジバンシィ〉〈サカイ〉などはまさにその象徴で、逆にストリート色を全面に出すブランドは無かったように思います。

そして、もうひとつ特徴を挙げるなら、春夏シーズンにも関わらず、鮮やかな色使いが少なかったこと。その代わりに目立ったのは、柔らかなアースカラーでした。

特にその傾向が強かったのはヨーロッパのブランドのように思います。ファッションは社会状況と密接といわれますが、終わりの見えないウクライナ戦争の影響は大きく、コロナ禍が去っても人々は楽天的な気分になれないのかもしれません。それが保守的な服や色使いにあらわれているように思います。

ちなみにパリでコロナ禍はもう過去のこと。メトロやバスでマスクをつけているひとはほぼいません。街を歩く99%のひとがノーマスクです。

交通機関のストやデモも無く、スムーズに進んだ6日間のパリ・ファッションウィーク。

〈ルイ・ヴィトン〉の発表が初日で、〈セリーヌ〉や〈サンローラン〉といったビッグメゾンが参加しなかったこともあり、俯瞰すると尻すぼみだったように感じました。

ネットやSNSの進化でシームレスに情報が発信できるようになったいま、もはや発表の場をパリにこだわる必要は無いのかもしれません。

でもパリは来夏に100年ぶりとなるオリンピックの開催を控えます。ここに照準を定めてさまざまなブランドが何かを進めるはずで、ファッションウィークも特別なものになるように感じます。

我々が泊まったホテルの目の前にあるパリ北駅。

ぼくたちが泊まったホテルの目の前にあるパリ北駅。

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