M65パーカーには、”アルミジッパー” “シルバージッパー” “初期型”などと呼ばれている1965-1971年の7年間だけ生産された人気の古いモデルが存在します。
●M65パーカー初期型の特徴
特徴は以下の8つです。
1.ジッパーがアルミニウム製のシルバー
アルミニウムは柔らかい特性があるため、歪んで締まりにくくなっていたり、留め具が外れて壊れたりしたりするケースが多く、綺麗な品は非常に希少です。
2.右胸のパッチがない
所属部隊のワッペンやバッチをつけるためのパッチが存在しません。M51では肩についたエポレットがその目的を果たしていましたが、M65に移行した直後のFirst Modelにはなかったため不自由したのでしょう。通常Modelではパッチが右胸に搭載されるようになります。
通常は以下参照。
3.襟が丸くラウンドせず鋭角なスクエア
襟の形が違います。
4.襟裏上部のボタンが6つ
ライナーを装着するためのボタンは通常は5つ(下参照)ですが、左肩の裏あたりに1つ多くボタンがつきます。
これは前のモデルであるM51パーカーのライナーも装着できるようにする互換性を持たせるためと言われています。
5.ボタンにつく布がボディと同素材
6.襟裏のフックがボディと同素材
7.襟裏のタグが正方形
商品名、納品年月、納品メーカー、サイズなどがシンプルに記載された正方形のタグが小さくつきます。
通常は以下参照。
8.前面右下裏にタグがつく
●“Mini Tag Model”とは?
以上が初期型の特徴ですが、1972-1974年の3年間だけは上記特徴のうち6-8までのディテールが継承された移行期モデルが存在します。
これを僕は“Mini Tag Model”と呼んでいます。
例えばこちらは1974年製でジッパーは真鍮製ですが、各種ディテールは初期型と同じです。
背面の襟を見ると正方形の小さめなステッチがチラッと見えてカッコいいんです。
この5年間10-3月の半年だけ、M65やM51などモッズコートを日本最大級の規模で専門に扱ってきましたが、まだまだ知らない事実がありますね。
定番と言われながらも、
昔は数がたくさんあり細かな違いに目を向けられることはなく、
また、今はアメリカ本土ですらほとんど見つからず、古着屋にたまにスペシャル扱いで数着入荷する程度になり、
複数の個体を比べながら違いを浮き彫りにできる環境下にある人が少ないため、これからもanyteeは新しい発見を楽しみながらシェアしていきたいと思います。
●お知らせ フイナムブログは3月末でおしまい
2年半勤めてきたフイナムのブロガーも今月末で卒業することになりました。今までありがとうございました。
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今後ですが、アパレル業界でおそらく一番ストーリーの更新頻度が高いと友人から笑われるanyteeのインスタグラムにて、引き続き自由に発信していきます。
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