ロンドンデザインフェスティバルは、デザイン概念をロンドン市総出で打ち出す年に一度のイベント。その期間中にBAO BAO ISSEY MIYAKEが視覚、聴覚、触覚を介して体全体で感じられるマルチセンサリーをテーマにしたイベント『BAO BAO VOICE』を開催した。前述にもあるが、こういったインタラクティブであり体験型であるフォーマットの打ち出しが今注目されている。
4つのバッグをコンソールのように傾け、振ったり、動かしたり、曲げたりすることとその動作の強弱や角度により異なる音/音量をランダムに選び、前面の巨大なスクリーンでその動きと音に反応するビジュアルが同時に展開される。4つのバッグ=4人で音と映像のアッセンブル。ピアノ、ギター、ドラム、ベース、人の声、鳥の声など音のサンプルも豊富でブランドの柱でもある「プレイプルネス=遊び心」とバッグの幾何学モジュールデザインとそのテクスチャー=素材感、質感を楽しむインクルーシブな試みである。
特に子供が無邪気に遊んでいる姿を見ると、ファッションやデザインはそういった楽しさを提供できるものだと改めて考えさせられる。
そのメインステージルームの隣は、100点以上に及ぶバッグを色のグラディエーションでカーブした壁に均一配置したアーカイブルーム。単純に美しい、綺麗なフォルムや色調が一目で楽しめる構成になっている。
その隣は、会期中のみ展開しているポップアップショップ。
Hypebeastが紹介する2019年のロンドンデザインフェスティバルで見逃せないイベント、トップ10に選ばれている。個人的にはこういったリーチアウトしようとしているブランドの姿勢は大切だと思う。これだけ、情報過多の時代に単に心の琴線に触れる、遊び心を伝える。英語で言う「Affinity」という感情はこういう所からうまれてくるのだろう