大好きな思想家の一人『オラファー・エリアソン』。2003年に同テートモダンで発表した作品『ウェザー・プロジェクト』で衝撃を受けたのを鮮明に覚えている。彼の名前を世界中に知らしめた展示だった。
彼が今、新しい個展『Olafur Eliasson: In real life』をひっさげてテートモダンでに戻ってきた。来年の1月5日までと非常に会期の長い個展は、彼の思想とクリエーションを見て、感じられる非常に濃いすぎるコンテンツで構成されている。
彼の作品の柱は、人間との交わり(ヒューマンインタラクション)であり、人の物の見方、理解力を問うコンテンツが多く、その作品が確かに集大成だが、彼の思考力=クリエイティビティそのものが作品であると常に感じさせられる。自然のスペース、自然の摂理を取り込み、複雑な幾何学やモーションの動き、色彩への研究を反映した作品で鑑賞者からの感情移入、全てが素晴らしい。
Reindeer Moss(トナカイとカリブーが好物な花苔)を一面にひきつめたインスタレーション。この花苔は、コペンハーゲンのレストラン『noma』で一度食した経験があり親近感がある
一寸先も見えない霧の部屋と通路
彼の継続的なテーマである万華鏡インスタレーション
人の動きと色彩、そして知覚を刺激するシンプルで、子供が楽しんでやまなかったインタラクティブなインスタレーション
20年に渡るアイスランドの氷河を綿密に記録し、景観の変化を訴える
このような感受性の高いアートワークで、より急速に変化を遂げている世界観へ、環境問題、社会問題、移民問題、エネルギー問題などに問いを投げかけている。
展示期間中は、テートモダンのテラスにあるバー『Terrace Bar』でベルリンの彼のオフィス『SOE (Studio Olafur Eliasson)』で普段食べられているベルリンの郊外で収穫される季節のオーガニック、ベジタリアンの食事が食べられるようになっている。
再度3−4回は、また見に行きたいと思えるほど満足。皆様、必見です!